横浜国立大学は、新たな半導体チップ集積技術を、ディスコおよび、東レエンジニアリングと共同で開発したと発表した。開発した仮接合技術を300mmウエハー上で検証し、加工時間や材料損失が削減できることを実証した。
横浜国立大学工学研究院の井上史大准教授は2023年5月、新たな半導体チップ集積技術を、ディスコおよび、東レエンジニアリングと共同で開発したと発表した。開発した仮接合技術を300mmウエハー上で検証し、加工時間や材料損失が削減できることを実証した。
研究グループは今回、新たに開発したCVD絶縁膜を用い、ウエハー上にチップを仮接続する方法を示した。仮接続は、プラズマ活性化ダイレクトボンディングで行う。このため、仮接合界面はほとんどの前工程プロセスと互換性があるという。
界面層は薄い個体であり、ボンディング中に発生する「ダイのずれ」などを軽減できるとする。これによって、「ダイツーウエハー(D2W)」のハイブリッド接合を可能にした。仮接合で重要となるのは、低温で堆積されたSiO2膜による意図的なボイドの形成と制御された接合エネルギーだという。
そこで研究グループは、「表面粗さ」や「膜組成」「機械的特性」および、「プラズマ活性化の影響」などについて調べた。また、そのメカニズムを解明するため、無水雰囲気でのボンディングエネルギー測定や界面空孔検査、TEM分析といった界面解析を行った。
低温で堆積したSiO2は、多くのオープンスペースと水を含んでいる。これが水の貯蔵層として機能し、ポストボンドアニール中に放出される可能性があると見ている。これにより、極めて小さい力でウエハーとチップを簡単に熱剥離できることが分かった。
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