加賀FEIは、「EdgeTech+ 2023」(2023年11月15〜17日/パシフィコ横浜)に出展し、超小型のデュアルコア搭載BLEモジュール「EJ5340」を展示した。「EdgeTech+ AWARD 2023」でIoT Technology優秀賞を受賞した技術だ。
加賀FEIは、「EdgeTech+ 2023」(2023年11月15〜17日/パシフィコ横浜)に出展し、超小型のデュアルコア搭載BLE(Bluetooth Low Energy)モジュール「EJ5340」を展示した。
EJ5340の最大の特長は、アプリケーション実行用とネットワーク処理用の2つのプロセッサを5.1×11.3×1.3mmという超小型のモジュールに収めた点だ。いずれのプロセッサもArmの「Cortex-M33」コアを搭載している。同社によると、EJ5340はデュアルコア搭載Bluetoothモジュールとして「世界最小レベル」だという。同社の説明担当者は、「シールドケースやモールド材を工夫することで、性能を維持したまま小型化することに成功した」と語っていた。
加賀FEIの無線モジュール事業は、2022年1月に太陽誘電から譲渡されたもの。説明担当者によれば、今回展示した超小型BLEモジュールは、太陽誘電から譲渡された無線モジュールの小型化技術を応用したものだという。
EJ5340は、Bluetooth 5.4(Bluetooth LEを含む)の他、ZigBeeやThreadにも対応する。スマートホームの規格「Matter」にも対応していて、日本、米国、カナダの電波法認証も取得済みだ。インタフェースは、SB、SPI、UART、I2C、I2Sなどを備える。動作温度範囲は−40〜105℃。セキュリティ面では、TrustZone対応の暗号化アクセラレーター「CryptoCell-312」を内蔵する。アプリケーションは、エッジでAI処理を行う小型IoT(モノのインターネット)端末、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)端末、フットネス端末などを想定している。
EJ5340は、今回の展示会に出展される製品/サービスの中から優れたものを表彰する「EdgeTech+ AWARD 2023」でIoT Technology優秀賞を受賞した。
EdgeTech+ 2023を運営する組込みシステム技術協会(JASA)は、選定理由について「アプリケーション実行用とネットワーク処理用の2個のプロセッサをコーヒー豆大と小さなモジュールに収め、ホスト用マイコンを不要とすることで使い勝手と性能を高めた点を高く評価した」などと説明している。また、既に電波法認証を取得済みで、開発工数およびコストの削減を図れる点も評価された。
加賀FEIの説明担当者は、今回の受賞について「超小型かつ高性能な点と、販売実績を評価されたと認識している。BLEモジュールに関しては、加賀FEIとしては2018年から、太陽誘電時代も含めると2014年から販売している。また、部品として提供して顧客側で“足し算”をしてもらうのではなく、モジュールとして提供することで、開発工数の削減やデバイスサイズの縮小に貢献できた」とコメントした。
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