ルネサス エレクトロニクスは、高速で高い精度のアナログフロントエンド(AFE)を内蔵した32ビットマイコン「RX23E-B」の量産を始めた。産業用ロボットの力覚センサーなど、高い性能が要求される用途にも対応できる。
ルネサス エレクトロニクスは2023年11月、高速で高い精度のアナログフロントエンド(AFE)を内蔵した32ビットマイコン「RX23E-B」の量産を始めた。産業用ロボットの力覚センサーなど、高い性能が要求される用途にも対応できる。
RX23E-Bは、従来のRX23E-Aと同様に、動作周波数32MHzのCPUコア「RXv2」を搭載し、AFE回路を1チップに集積した。RX23E-Aと異なるのは、AFE性能を強化した点だ。分解能が24ビットのΔΣ型A-Dコンバーターを内蔵しており、最大データレートは125kサンプル/秒(SPS)まで対応する。RX23E-Aに比べ8倍も高速化した。RMSノイズは0.18μVrms(1kSPS時)で、この値はRX23E-Aに比べ約3分の1である。
新たな周辺機能としては、16ビットD-Aコンバーターを搭載した。これにより、計測部の補正や自己診断、アナログ信号出力が可能となった。また、±10Vアナログ入力を搭載したことで、外付け部品や追加電源がなくても、5V電源のまま±10Vの測定が可能である。最大40SEG×4COMのLCDコントローラやリアルタイムクロック(RTC)機能も内蔵した。
RX23E-Bは、A-Dコンバーターのデータレートが最大125kSPSの製品に加え、最大31.25kSPSの製品も用意している。いずれもデータレートは3.8SPSから最大値まで柔軟に設定できるという。パッケージは、小型・高密度実装が要求される用途に向けて、外形寸法が5.5×5.5mmの100端子BGAと6.0×6.0mmの40端子QFNを提供する。これ以外にも、48〜100端子のパッケージ品を用意している。
ルネサスは、RX23E-Bのウィニング・コンビネーションとして、RX23E-Bと電磁バルブを駆動するインテリジェントパワーデバイスなどを組み合わせた「圧力コントロールソリューション」も開発し、提供している。既に設計検証を済ませており、これを活用することで設計のリスク低減と市場投入までの期間短縮が可能となる。
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