半導体/電子部品のディストリビューターであるMouser Electronicsの日本法人マウザー・ジャパンは記者説明会にて、業績や日本市場の動向について説明した。取り扱い製品の増加を背景に、米テキサス州の本社敷地内で新倉庫の拡張を進め、さらなる売り上げ増を狙う。
半導体/電子部品のディストリビューターであるMouser Electronics(以下、Mouser)の日本法人マウザー・ジャパンは、2023年11月16日に記者説明会を開催し、業績や日本市場の動向について説明した。売上高や取り扱い製品数が増加していることから、倉庫の拡張を進めているという。
Mouserの販売実績は、2020年から2022年にかけて大きく上向いた。2020年の売上高はグローバルで約20億米ドルだったが、2022年には約40億米ドルと2倍に成長。地域ごとに見ても、全ての地域で売上高が10億米ドルを超えた。
一方で、2023年上半期は中国での売り上げ落ち込みが理由で、アジア/太平洋地域の売上高が前年同期比で17%減少し、グローバルでは同2%減となった。2023年通期での売上高は、前年比8%減の約37億5000万米ドルに着地する見通しだという。
2023年上半期の購入者数は、前年同期と比べてほぼ横ばいだ。説明会に登壇したMouser グローバルサービス/EMEAおよびAPACビジネス担当兼シニアバイスプレジデントのMark Burr-Lonnon氏は「購入者数は横ばいで売り上げが減少した。大型発注が減少しているといえる」と分析した。
Burr-Lonnon氏は、「2023年は困難な年になっているが、3年前と比べて売上高が17億5000万米ドルも成長したことにはかなり満足している。2024年には市況が戻ってくると見ている」と述べた。
在庫状況については、一時期在庫不足が続き、受注残が大きくなっていた時期があったが、現在はMOSFETなど一部製品を除けば不足はほぼ解消して、在庫量が増加してきたという。2023年11月時点では約21億米ドル相当の在庫があるとした。
Mouserは、今後も取り扱い部品数を拡大し続ける方針でいることや、売上高や在庫量が増加していることを受けて、米テキサス州の本社敷地内で倉庫の拡張を進めている。新倉庫は2024年春に完成予定で、総面積は61万3000平方フィート、3層構造の巨大なものとなる。設備も大幅に増強するという。現在138基稼働している垂直リフトモジュールを新たに330基導入する予定で、パレットの収納先も現倉庫の4500カ所に対し、新倉庫では1万6000カ所に増やす。現在11カ所ある自動出荷ラインは新倉庫には20カ所設置する予定だ。
今後はアジア/欧州など他地域での倉庫設立も検討しているという。小型の製品であれば米国の倉庫からすぐに発送できるが、大型の製品が増えてくると世界の各地域に倉庫を持っている方が対応しやすいためだ。
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