ルネサス、64ビット汎用MPU「RZ/G3S」を量産 : IoTエッジデバイスなどに向け
ルネサス エレクトロニクスは、IoTエッジデバイスやゲートウェイ機器に向けた64ビット汎用MPU「RZ/G3S」を開発、量産を始めた。
ルネサス エレクトロニクスは2024年1月、IoT(モノのインターネット)エッジデバイスやゲートウェイ機器に向けた64ビット汎用MPU「RZ/G3S」を開発、量産を始めた。
RZ/G3Sの外観[クリックで拡大] 出所:ルネサス
RZ/G3Sは、メインCPUに最大動作周波数が1.1GHzの「Arm Cortex-A55」コアを、サブCPUには250MHz動作の「Cortex-M33コア」2個を搭載した。センサーからのデータ取得やシステム制御、電源制御といった処理をサブCPUに分散して実行させるため、メインCPUの処理負荷を軽減できるという。
待機電力を10μW以下まで低減できる電源制御システムも新たに開発した。DRAMデータを保持するためのDDRセルフリフレッシュ機能を備えていて、Linuxの高速起動も可能である。さらに、40mW相当の電力でサブCPUの動作を維持できる待機モードを用意している。
IoTゲートウェイ機器に向けた機能も強化した。ギガビットイーサネットやCAN、USBなどに加え、オプションでPCI Expressインタフェースを搭載できる。これによって5G(第5世代移動通信)モジュールとの高速接続が可能となる。
また、内蔵メモリと外付けDDRインタフェースにECC機能を搭載した他、Civil Infrastructure Platform Linuxをベースとした動作検証済み「Verified Linux Package(VLP)」の提供、セキュアブートやセキュアデバッグに加え、タンパー検出などセキュリティ機能も強化した。パッケージは13mm角BGAと14mm角BGAで供給する。なお、RZ/Gシリーズ製品は既に、Armが提供する認定制度「PSA Certified」のレベル2を取得していて、RZ/G3Sでも取得する予定だ。
ルネサスは、システム設計者の開発負荷を軽減するため、RZ/G3Sに最適化されたパワーマネジメントICやクロック製品を組み合わせた「シングルボードコンピュータゲートウェイ」ソリューションなども用意している。
ルネサス、GaN半導体メーカー・Transphormを買収
ルネサス エレクトロニクスは2024年1月11日、Transphorm(トランスフォーム)を買収すると発表した。買収額は、約3億3900万米ドル(約492億円)。2024年下半期の買収完了を予定する。
ルネサスが新体制スタート、技術分野に基づく4グループに再編
ルネサス エレクトロニクスが2024年1月1日付で組織を再編し、新体制をスタートした。これまで、車載と非車載で分けた2つの事業本部を核に形成していた組織を、技術分野で分けた4つのプロダクトグループ(PG)に再編した。
トヨタやルネサスなど12社、車載用SoC開発に向け新組織「ASRA」を設立
トヨタ自動車やデンソー、ルネサス エレクトロニクスなど自動車メーカー、電装部品メーカー、半導体関連企業12社が、「自動車用先端SoC技術研究組合(Advanced SoC Research for Automotive/ASRA)」を2023年12月1日付で設立した。チップレット技術を適用した車載用SoC(System on Chip)の研究開発を行う組織で、2030年以降の量産車に搭載すべく、研究開発を進める。
クラウドベースのソフト開発環境、ルネサスが構築
ルネサス エレクトロニクスは、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」技術を活用して、車載AIソフトウェアの開発や評価が行える開発環境「AI Workbench」を構築、2024年1月より限定プレビュー版の提供を始める。
高速・高精度AFE内蔵の32ビットマイコンを量産
ルネサス エレクトロニクスは、高速で高い精度のアナログフロントエンド(AFE)を内蔵した32ビットマイコン「RX23E-B」の量産を始めた。産業用ロボットの力覚センサーなど、高い性能が要求される用途にも対応できる。
ルネサス、Arm Cortex-M85コア搭載マイコンを発売
ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RAファミリー」として、480MHz動作のArm Cortex-M85コアを搭載した「RA8M1」の量産を始めた。「RA8シリーズ」の第1弾となる製品で、6.39CoreMark/MHzという高い性能を実現している。
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