Seagateは製品別の収支を、「HDD製品」と「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)製品」に大別している。売り上げのほとんどを占めるのは「HDD製品」である。「HDD製品」は「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」の2つに分けて説明している。
「大容量品(マスキャパシティ品)」には、ニアラインHDD、画像データ(VIA:video and image applications)用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。「既存品(レガシー品)」には、ミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソール用HDDなどの製品がある。
これらの製品分類別市況で比較的好調だったのは前述のように 「大容量品(マスキャパシティ品)」のニアラインHDDである。米国と中国でクラウド向けの需要が強い。前期に好調だったVIA用HDDは季節要因によって売り上げが低下した。
製品開発では、熱アシスト磁気記録(HAMR)技術を採用した30TBを超える大容量HDDの出荷を始めた。2024年1月〜3月期には量産を始める計画である。HAMR技術による40TBを超える大容量HDDは2025年(暦年)下半期に出荷を始められるようになると期待する。
従来技術では、垂直磁気記録(PMR)方式の26TB品と瓦書き磁気記録(SMR)方式の28TB品の出荷を2023年10月〜12月期に始めた。
製品分類別の売上高では、「HDD製品」が前期比7%増、前年同期比17%減の13億8400米ドルとなった。その中で「大容量品(マスキャパシティ品)」の売上高は前期比4%増、前年同期比15%減の10億6000万米ドルである。HDD製品の売上高に占めるマスキャパシティ品の割合は77%で、前期の79%から2ポイント低下した。
「既存品(レガシー品)」の売上高は前期比17%増、前年同期比23%減の3億2400万米ドルである。「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)製品」の売上高は前期比8%増、前年同期比24%減の1億7100万米ドルである。SSD需要の回復によって前期比の売り上げが増加した。
HDD製品の総出荷記憶容量では、大容量品(マスキャパシティ品)が前期比5%増、前年同期比14%減の83.2EB(エクサバイト:1018バイト)となった。マスキャパシティ品の大半を占めるニアラインHDDは前期比16%増、前年同期比18%減の65.1EBである。既存品(レガシー品)は前期比15%増、前年同期比25%減の12.0EBとなった。
大容量品(マスキャパシティ品)の平均記憶容量(1台当たりの記憶容量)は前の四半期から15%増加して11.9TB(テラバイト)となった。前年同期と同じ記憶容量である。既存品の平均記憶容量は前期比10%増、前年同期比19%増の2.6TBとなり、既存品の漸増傾向が明確になってきた。
HDD全体の総出荷記憶容量は前期比6%増、前年同期比15%減の95.1EBとなった。HDD全体の平均記憶容量は前期比11%増、前年同期比12%増の8.2EBである。
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