村田製作所の2023年度第3四半期決算は、売上高は前年同期比4.9%増の4394億円、営業利益は同2.9%減の762億円だった。通期業績予想は据え置く。通期では能登半島地震によって30億〜50億円程度のマイナス影響を見込んでいる。
村田製作所は2024年2月2日、2023年度(2024年3月期)第3四半期(2023年10〜12月)の決算発表を行った。売上高は前年同期比4.9%増の4394億円、営業利益は同2.9%減の762億円だった。減益の理由は、今期は在庫を消化していて、売上高に対し生産高が減少しているためだという。
前四半期比では売上高が0.7%減とほぼ横ばいだった。スマートフォン向けの高周波モジュールやスマホ/モビリティ向けのコンデンサーで売り上げが増加した一方、樹脂多層基板やコネクティビティモジュール、リチウムイオン二次電池の売り上げが減少したという。営業利益は生産高の減少や製品価格の値下がりの影響で同14.2%減となった。
通期での業績予想は、売り上げ/利益ともに前回予想を据え置いた。なお、業績予想には後述の能登半島地震によるマイナス影響を織り込んでいる。村田製作所 コーポレート本部 本部長兼 同本部 経営管理統括部 統括部長の南出雅範氏は「営業利益の上振れは難しいと思うが、個別品種の生産性の改善や企業努力で予想額を達成したい」と述べた。
2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震で北陸地方の製造拠点が被災したが、全拠点の生産再開の見通しが明らかになった。最も生産再開予定が遅いのは穴水村田製作所(石川県穴水町)で、設備や建屋の補修を行ったうえで同年5月中旬以降の生産再開を予定している。
損益への影響としては、2023年度第4四半期に30億〜50億円程度のマイナス影響を想定しているという。在庫の廃棄や設備/建屋の修繕費、一部製造拠点の生産停止による損失に、保険金収入を加味したものだ。村田製作所 社長の中島規巨氏は「代替生産などを通して極力、顧客に迷惑が掛からないように取り組んでいく」とした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.