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レゾナックの23年度通期は減収減益で純損失190億円、24年度は黒字転換へ半導体市場の悪化影響を強く受け(1/2 ページ)

レゾナックの2023年度通期(2023年1〜12月)業績は、売上高が前年比7.5%減の1兆2889億円、営業利益は同655億円減で38億円の赤字、純利益は同514億円減で190億円の赤字となった。

» 2024年02月16日 13時30分 公開
[半田翔希EE Times Japan]

 レゾナックは2024年2月14日、2023年度通期(2023年1〜12月)の決算を発表した。売上高は前年比7.5%減の1兆2889億円、営業利益は同655億円減で38億円の赤字、純利益は同514億円減で190億円の赤字になり、減収減益となった。半導体市場の悪化の影響を強く受けた半導体/電子材料セグメントでの大幅な減収減益が主な要因だ。

2023年度通期(2023年1〜12月)業績概要(前期比) 2023年度通期(2023年1〜12月)業績概要(前期比)[クリックで拡大] 出所:レゾナック

半導体/電子材料分野が減収減益も、モビリティは横ばい

 セグメント別でみると、半導体/電子材料セグメントは、2022年末から継続する半導体需要の低迷や、ハードディスク(HD)メディアの大幅な販売数量の落ち込みなどが影響し、売上高は前年比21%減の3381億円となった。営業利益は同550億円減で94億円の赤字となった。

 売上高の内訳をみると、半導体前工程材料は、2023年初めから継続している生産調整の影響で電子材料用高純度ガス、CMPスラリーともに減収となり前年比26%減の746億円となった。後工程材料は、足元では需要の持ち直しの動きがあるものの、同14%減の1625億円となった。デバイスソリューションは、SiC(炭化ケイ素)エピタキシャルウエハーは出荷数量の増加で増収となった一方で、データセンター向けHDメディアの需要低迷による減収が響き、同33%減の662億円となった。

2023年度通期の半導体/電子材料セグメントの業績 2023年度通期の半導体/電子材料セグメントの業績[クリックで拡大] 出所:レゾナック

 モビリティセグメントは、グループ企業だったドイツの断熱部品メーカーの事業譲渡を2022年度に行ったことによる減収があるほか、リチウムイオン電池材料であるアルミラミネートフィルム(「SPALF」の製品名で展開)が民生機器需要の低迷の影響を受けたものの、自動車生産の回復や新規車種向け製品の需要増により、売上高は前年比1%減の1790億円とほぼ横ばいで着地した。営業利益は同27億円増の19億円で黒字となった。

2023年度通期のモビリティセグメントの業績 2023年度通期のモビリティセグメントの業績[クリックで拡大] 出所:レゾナック

 イノベーション材料セグメントは、一部製品の撤退や販売数量の減少があった、原材料の価格高騰に伴う値上げにより製品の販売価格が上昇し、売上高は同8%減の1301億円、営業利益は同12%増の113億円で減収増益となった。

 ケミカルセグメントは、売上高は同2%減の5163億円。営業利益は同69%減の77億円だった。事業別では、石油化学事業は、4年に1度の定期修繕があった影響で販売数量が増加したものの、ナフサ価格の下落により販売価格が下落し減収となった。化学品事業は、2022年度に進んだ原燃料高騰に伴う価格転嫁により販売価格が上昇したものの、一部製品の数量減によりほぼ横ばい。黒鉛電極事業は、市場環境の悪化により販売数量、単価ともに振るわず減収となった。

2023年度通期のイノベーション材料分野の業績2023年度通期のイノベーション材料分野の業績 左=2023年度通期のイノベーション材料セグメントの業績/右=同じく、ケミカルセグメントの業績[クリックで拡大] 出所:レゾナック
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