TDKは、車載向け積層セラミックコンデンサー(MLCC)「CGAシリーズ」の定格電圧100V品の新製品として、2012サイズで静電容量2.2μF、3216サイズで静電容量4.7μFの製品の量産を開始した。48V電源ラインでのコンデンサーの小型/大容量化の要求に応えるもの。
TDKは2024年3月26日、車載向け積層セラミックコンデンサー(MLCC)「CGAシリーズ」の定格電圧100V品の新製品として、2012サイズ(2.0×1.25×1.25mm)で静電容量2.2μF、3216サイズ(3.2×1.6×1.6mm)で静電容量4.7μFの製品の量産を開始したと発表した。48V電源ラインの平滑/デカップリング用途に向けたもの。なお、定格電圧100VのMLCCにおいて、2012サイズで2.2μF、3216サイズで4.7μFの静電容量は、いずれも「業界最大」(TDK)だという。
昨今、xEV(電動車)のバッテリー電圧は、低損失化とハーネス軽量化による燃費の改善を目的として、12Vから48Vへと高電圧化が進んでいる。それに伴って、48V電源ラインに接続する機器向けに、定格電圧100Vのコンデンサーの小型化/大容量化への要求が高まっている。
TDKはこうした需要を踏まえ、100V品のMLCCのラインアップを拡充したという。新たに量産を開始した2製品は、いずれも同サイズの従来品比で静電容量を約2倍に大容量化した。これによって、同じ静電容量でより小型な製品を選べるようになった。例えば、静電容量4.7μFのCGAシリーズ製品を用いる場合、これまでは3225サイズ(3.2×2.5×2.5mm)品を選ぶ必要があったが、今後は3216サイズ品1点、もしくは2012サイズ品2点に置き換えられる。実装面積は、3216サイズへの置き換えでは約36%、2012サイズへの置き換えでは約38%削減できるという。
今回の新製品は静電容量を大きくするため、従来品よりも電極間距離を小さく、積層数を多く設計したという。これにより耐電圧のレベルが低下するというデメリットがあるが、TDKは使用材料の再選定や設計の最適化によって対応したとしている。
2012サイズの「CGA4J1X7R2A225K125AC」、3216サイズの「CGA5L1X7R2A475K160AC」は、いずれも2024年3月から量産を開始している。生産数はそれぞれ月産200万個で、サンプル価格は前者が1個当たり20円(税別)、後者が1個当たり30円(税別)。
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