Armは、SoCの設計を支援する「Arm CSS(Compute Subsystems)」をオートモーティブ向けにも展開する。
オートモーティブ向けCSS「Arm CSS for Automotive」は、最先端のファウンドリープロセスに対応し、性能や消費電力、実装面積に最適化されたArm AE IPの事前統合済み/検証済みの構成を提供し、自動車の開発時間の短縮に貢献する。Arm CSS for Automotiveの第1弾は2025年中の提供開始を予定している。
さらに、先述した次世代Arm AE IPを使ってバーチャルプロトタイピングが可能になる、バーチャルプラットフォームとクラウドソリューションを開発した。Amazon Web Services(AWS)、Cadence、Corellium、Siemensなどと協業したという。
自動車の開発サイクルは一般的に、プロセッサのIPが提供された後にシリコンの開発が始まり、約2年後にハードウェアが完成してから、ソフトウェア開発者がソリューションの構築に着手するという直線的なプロセスだった。今回発表したバーチャルプラットフォームにより、Arm AE IPを実際に適用した半導体ICが生産される前に、車載ソフトウェアの開発を始められるようになる。つまり、「開発サイクルを最大で2年短縮できる」(Arm)ということだ。
上記ソリューションで開発するアプリケーションソフトウェアについては、Autoware Foundation、BlackBerry QNX、Elektrobit、Kernkonzept、LeddarTech、Mapbox、Sensory、Tata Technologies、TIER IV、Vectorといったパートナーとの協業により、ソフトウェアスタック全体にわたって、より早く、シームレスな開発が可能になるとする。
Armの日本法人であるアームの社長を務める横山崇幸氏は「2023年3月にアームの社長に就任して約1年間、自動車分野におけるエコシステム構築に向けて、さまざまな企業と協業を進めてきた。今回の発表は、これらの協業の成果だ」と語った。
Armは、車載プロセッサのアーキテクチャにおいて、ローエンドも含めた場合で40.8%、IVI(In-Vehicle Infotainment/車載インフォテインメント)では約85%、ADASでは約50%のシェア(2022年12月時点)を持っている。
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