Yoleによると、2023年のNANDの年間売上高は前年比33%減で400億米ドルを下回り、営業利益率も−50%まで急落した。売上高は2016年以来の低水準だ。DRAMと同様、供給過剰による価格下落が主因だ。
こうした市況から、2023年第3四半期から各メーカーが減産を実施し、第4四半期には製品価格は17%、営業利益率は−30%にまで回復した。2024年も各メーカーは利益率を健全化するため、工場稼働率の慎重な管理を続ける見込みだ。フル稼働状態は2024年末〜2025年初めごろと見込まれるという。
Yoleは、2024年のNAND市場は回復に向かうと予想する。PCやハイエンドスマホでの生成AI技術の搭載で民生機器向けの需要が高まるほか、データセンター向けのSSD需要も高まる見込みだ。稼働率管理によって各メーカーの在庫過剰は解消されて市場はやや供給不足に傾き、製品価格は2024年を通して上昇していくとみられる。これによって、下半期には業界全体の営業利益率がプラスに転じる可能性もあるという。
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