経産省がキオクシアホールディングスとWestern Digitalによる先端3D NANDフラッシュメモリ量産に向けた国内2工場への設備投資などに対し、最大2429億円を助成する。
経産省は2024年2月6日、キオクシアホールディングス(以下、キオクシア)とWestern Digital(以下、WD)による四日市工場(三重県四日市市)と北上工場(岩手県北上市)での先端3D NANDフラッシュメモリ量産に向けた設備投資などに対し、最大2429億円を助成すると発表した。
キオクシア/WDが両工場で新たに4500億円規模の投資計画を発表。経産省が「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律」に基づく「特定半導体生産施設整備等計画」に認定し、生産能力拡大と10年間の継続生産に対して最大1500億円を助成する。また、経産省は2022年7月にも四日市工場の設備投資の一部(約2788億円)に対して約929億円の助成を発表していたが、この計画の一部を変更したうえで再度認定した。これによって経産省からの助成金の総額は約2429億円となった。
今回キオクシア/WDが新たに発表した投資規模4500億円の計画では、両工場で第8世代3D NANDフラッシュメモリの生産能力を強化する他、第9世代品の生産基盤を四日市工場に構築、政府の支援を利用し集中的な設備投資を行うことで、第9世代品の開発/生産を前倒しするとしている。四日市工場では月産6万枚(12インチウエハー換算)、北上工場では月産2万5000枚(同)の生産能力を強化し、いずれも2025年9月の初回出荷を目指す。
また、両工場での生産能力強化によって、四日市に集中している生産を分散化し、災害に強いメモリ生産/供給体制の実現も目指す。
キオクシア社長である早坂伸夫氏は「最先端フラッシュメモリは、クラウドサービス、5G(第五世代移動通信)、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、自動運転などが広がるデジタル社会の発展において必要不可欠であり、経済安全保障の観点において重要な半導体だ。日本国内における最先端フラッシュメモリの安定的な生産を継続し、国内/地域経済や半導体関連産業の発展に貢献していく」と述べている。
経済産業大臣の斎藤健氏は「今回の大型投資を起点に、地域への投資や賃上げなど、三重県、岩手県、さらにはその周辺地域に対し、幅広い経済波及効果を期待している。生成AIを始め、メモリ市場は今後大きな成長が見込まれる。キオクシアとWDの共同投資は、日米が連携して、世界が必要とするメモリの供給責任を果たすものであると考えている」と述べている。
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