日本電気硝子は、新たに開発した耐熱パッケージを採用し、動作温度範囲が−40〜200℃という「全固体ナトリウムイオン二次電池(NIB)」を開発、サンプル出荷を始めた。宇宙空間や半導体製造プロセス、医療など過酷な環境下で使用される機器に向ける。
日本電気硝子は2024年8月、新たに開発した耐熱パッケージを採用し、動作温度範囲が−40〜200℃という「全固体ナトリウムイオン二次電池(NIB)」を開発、サンプル出荷を始めたと発表した。宇宙空間や半導体製造プロセス、医療など過酷な環境下で使用される機器に向ける。
二次電池は、周囲の温度が低温や高温といった環境だと、「電解液の凍結」や「電池内の材料が劣化」するなどして、十分な性能が得られなかった。特に、高温での性能劣化は、全固体電池でも課題となっていた。
新たに開発したNIBは、「正極」「負極」「固体電解質」の全てを結晶化ガラスで構成している。これにより、低温での凍結や高温での劣化に対し、強い耐性を備えた。また、ガラス封着技術を用いた耐熱パッケージを開発し、電池のパッケージに初めて採用した。
この結果、新製品は200℃という高温環境下での使用が可能となった。200℃を超える耐熱仕様についても対応していく。さらに、高温環境下では電池内のイオンが動きやすくなり、より高速の充放電が可能になるという。200℃における充放電時の電流値は「20C」(3分で充放電が完了する電流値)である。また、高温でも気密性が高いため電池内部へ水分の侵入がなく、優れた充放電サイクル特性が得られた。
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