大熊ダイヤモンドデバイス、約40億円を新たに調達:福島・大熊町に半導体工場建設へ
大熊ダイヤモンドデバイスは、福島・大熊町でのダイヤモンド半導体工場建設に向け、PreAラウンドで約40億円を調達した。創業後2年半での調達額は、助成金も合わせ累計約67億円となった。
大熊ダイヤモンドデバイスは2024年10月17日、福島・大熊町でのダイヤモンド半導体工場建設に向け、PreAラウンドで約40億円を調達したと発表した。創業後2年半での調達額は、助成金も合わせ累計約67億円となった。
大熊ダイヤモンドデバイスは、シリコンなど既存の半導体に比べ、高周波特性や大電力効率などに優れたダイヤモンド半導体の量産化に取り組んでいる。今回は、既存投資家であるグロービス・キャピタル・パートナーズがリードし、デットファイナンスはみずほ銀行が筆頭金融機関となり、PreAラウンドでデット含め約40億円の資金調達を行った。
また、経済産業省の「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(製造・サービス業等立地支援事業)9次公募」にも採択され、最大30億円の支援を受けることになっている。これらの資金を基にして、既に工場用地として土地を取得している福島県大熊町に、ダイヤモンド半導体工場を建設する。2024年度中に工場建設を始め、2026年度にも稼働の予定である。
ダイヤモンド半導体工場の概観図[クリックで拡大] 出所:大熊ダイヤモンドデバイス
- 大熊ダイヤモンドデバイス、新たに3.3億円調達
大熊ダイヤモンドデバイスは2024年2月、北陸銀行、みずほ銀行および三井住友銀行より、デットファイナンスによる資金調達を行った。今回の調達額は総額3億3000万円(融資枠含む)で、創業以来の資金調達額は累計19億2000万円となる。
- ダイヤモンド単結晶で機械振動を効率的に観測
東北大学は、ナノメートルサイズのダイヤモンド(ナノダイヤモンド)結晶をシリコン振動子上に固定し、光検出磁気共鳴(ODMR)法を用いて、振動子上の応力を観測する技術を開発した。
- ダイヤモンド量子センサー、低周波磁場でも高感度
東京工業大学と東京大学、物質・材料研究機構(NIMS)および量子科学技術研究開発機構(QST)らによる研究グループは、ダイヤモンド中の窒素−空孔中心(NVセンター)を利用したダイヤモンド量子センサーにおいて、5〜100Hzの低周波数領域でも9.4pT/√Hzという高い磁場感度を実現した。
- 大口径の人工ダイヤモンド基板量産に向け、OrbrayとElement Sixが提携
Orbray(オーブレー)と英Element Sixは、戦略的提携を行うと発表した。両社の技術を持ち寄り、高品質でウエハースケールの「単結晶人工ダイヤモンド」を開発し、量産技術を確立することで、製品の安定供給を目指す。
- パワー半導体向けウエハー市場、2035年に1兆円台へ
富士経済の調査によると、パワー半導体向けウエハーの世界市場は、2024年見込みの2813億円に対し、2035年は1兆763億円規模となる。特にSiC(炭化ケイ素)ベアウエハーは、2024年にSi(シリコン)ウエハーの市場規模を上回る見込みだ。
- パワー半導体市場、2035年に7兆7757億円規模へ
富士経済は、パワー半導体とその構成部材、製造装置の世界市場を調査し、2035年までの市場予測を発表した。パワー半導体の市場規模は2023年の3兆1739億円に対し、2035年は7兆7757億円規模になると予測した。
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