応用分野別の売り上げを見ていこう。WDは売り上げを3つの分野に分けて公表している。すなわち、「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールその他の販売チャンネルによる一般消費者向け)、の3つである。
「クラウド」分野の売上高は前四半期比(前期比)17%増、前年同期比153%増の22億800万米ドルである。ニアラインHDDの出荷数量増と、エンタープライズSSDのデータセンター向け総出荷記憶容量の増加が売り上げの伸びに大きく寄与した。クラウド分野が全体の売り上げに占める比率は54%で、前期から4ポイント上昇した。
「クライアント」分野の売上高は前四半期比(前期比)から横ばい、前年同期比では5%増の12億900万米ドルである。前期比では、フラッシュ事業はゲーム向けとモバイル向けで総出荷記憶容量が増加したものの、PC向けが減少したことでキャンセルされた。HDD事業の売り上げはほぼ横ばいだった。クライアント分野が全体の売り上げに占める比率は29%で、前期から3ポイント低下した。
「コンシューマー」分野の売上高は前四半期比(前期比)から横ばい、前年同期比では7%減の6億7800万米ドルである。前期比では、HDDの売り上げはわずかに伸びたものの、フラッシュ製品の需要が弱く、全体として横ばいとなった。コンシューマー分野が全体の売り上げに占める比率は17%で、前期から1ポイント低下した。
次は製品分類別の業績である。WDは「フラッシュ応用品」と「HDD製品」の売上高や粗利益率(Non-GAAPベース)などの数値を公表してきた。「フラッシュ応用品」の2025会計年度第1四半期(2024年7月〜9月期)における売上高は前四半期比(前期比)7.0%増、前年同期比21.1%増の18億8400万米ドルである。前期比は6四半期連続、前年同期比は4四半期連続で増加した。
フラッシュ応用品の粗利益率は38.9%である。前期の36.5%から、2.4ポイント上昇した。ビット換算の出荷容量は前期比14%増である。記憶容量当たりの平均販売価格(GB単価)は、全製品(Blended)が前期比6%減、同一製品(Like-for-like)が同4%増と増減が分かれた。
「HDD製品」の2025会計年度第1四半期(2024年7月〜9月期)における売上高は前四半期比(前期比)10.4%増、前年同期比85.2%増の22億1100万米ドルである。粗利益率は38.1%で、前期から2.0ポイント上昇した。総出荷記憶容量は前四半期比14%増と拡大した。
HDD製品の販売台数は、クラウド向けが900万台、クライアント向けが230万台、コンシューマー向けが190万台である。それぞれ前の四半期と比べ、110万台増、同一、同一となった。
HDD製品全体の販売台数は1320万台である。前の四半期からは110万台増加した。HDD製品の平均販売価格(ASP)は164米ドルである。前四半期の163米ドルとほぼ変わらない。なお前年同期のASPは112米ドルだった。
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