実験では、2つの量子ビットの周波数を4.314GHzおよび4.778GHzとし、離調(周波数差)を大きくすることで、クロストークエラーを抑制した。ただ、離調が大きいとこれまでは、残留結合を数十キロヘルツまでしか抑えることができなかった。今回は、外部磁束を適切に調整することで、結合強度を最小で約6kHzまでに抑えることが可能となった。
東芝と理研は今後、2量子ビットゲートの忠実度99.99%を目指して、ダブルトランズモンカプラのさらなる性能向上に取り組む。その上で大規模化に向けた技術を開発することで、量子コンピュータの早期実用化を目指す。
今回の研究は、東芝研究開発センターナノ・材料フロンティア研究所フロンティアリサーチラボラトリーの久保賢太郎主事と何英豪スペシャリスト、後藤隼人シニアフェロー(理研量子コンピュータ研究センター量子コンピュータアーキテクチャ研究チームのチームリーダー)、理研量子コンピュータ研究センター超伝導量子エレクトロニクス研究チームのRui Li特別研究員、Zhiguang Yan特別研究員、中村泰信チームリーダー(理研量子コンピュータ研究センターのセンター長)らが共同で行った。
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