信越化学工業は、電子機器を設計する技術者に向け、熱問題の解決を支援するためのプラットフォーム「Thermalvision」を開発し、同社Webサイト上に開設した。他社製も含め熱関連製品情報をワンストップで検索できる。また、Web上で簡易的な熱シミュレーションを行うこともできる。
信越化学工業は2024年12月、電子機器を設計する技術者に向け、熱問題の解決を支援するためのプラットフォーム「Thermalvision」を開発し、同社Webサイト上に開設した。他社製も含め熱関連製品情報をワンストップで検索できる。また、Web上で簡易的な熱シミュレーションを行うこともできる。
電子機器は高性能化、高機能化、高密度実装などが進み、機器を設計する段階から熱対策は極めて重要となっている。特に、生成AIの普及に伴いデータセンターにおける放熱や冷却対策はもとより、自動車関連機器、通信機器などにおける熱対策にも、技術者は多くの労力を費やしている。
信越化学は、「Thermal Interface Material(TIM)」と呼ばれる、半導体や電子機器内部で発生する不要な熱を、効率よく放熱するための放熱材料を手掛けている。これらの材料を適切に用いて、技術者が効率よく熱問題を解決できるような情報を提供していく。
具体的にThermalvisionでは、放熱関連製品の仕様などをまとめたデータベースを提供する。さまざまな材料の熱物性値や熱に関する公式、計算手法などもWeb上で確認できる。さらに会員登録すれば、熱関連の特許や論文の要約部分を閲覧できる。熱回路網法を用いた簡易的な熱シミュレーションをWeb上で行うことも可能。会員向けのサービスも含め、これらの機能は全て無償で利用できる。
なお、Thermalvisionに掲載を希望する企業があれば、他社の熱関連製品に関する情報も掲載していく方針だ。
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