ヤモリの手から着想 接着剤がいらない接着技術を取得、信越化学:接着剤の残渣や耐熱性の問題を解消
信越化学工業は、米国ペンシルバニア州を拠点に乾式接着剤や滑り止め製品を手掛けるSetex Technologiesからバイオミメティクス(生物模倣)による乾式接着技術を取得し、「ShineGrip(シャイングリップ)」という名称で市場開拓と技術提案を進めると発表した。
信越化学工業は2024年4月22日、米国ペンシルバニア州を拠点に乾式接着剤や滑り止め製品を手掛けるSetex Technologiesからバイオミメティクス(生物模倣)による乾式接着技術を取得し、「ShineGrip(シャイングリップ)」という名称で市場開拓と技術提案を進めると発表した。Setex Technologiesは消費者向け市場、信越化学工業は企業向け市場に特化して市場開拓に取り組むという。
Setex Technologiesの乾式接着技術は、ヤモリの手を模したものだ。ヤモリの手には微小な毛のようなものがあり、分泌液などを用いずに壁や窓ガラスに張り付くことができる。この手と同様の構造を材料表面に作りこむことで、材料自体に強摩擦性/粘着性/接着性を与えられる。
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材料技術に強みを持つ信越化学工業は、新たな要素技術としてバイオミメティクスに着目したという。Setex Technologiesから取得した技術と従来の自社材料を組み合わせることで、半導体製造などへの応用を目指す。
具体的には、製造工程内で接着剤残渣を発生させずに対象物を操作することや、従来の接着剤の耐熱性を超えた高温のプロセスへの導入を目指す。接着剤なしで繰り返し接着できるため、環境負荷を減らすことも期待できるという。
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