メディア

STM32マイコンで産業IoT 音声UIから予知保全まで対応EdgeTech+ 2024

STマイクロエレクトロニクスは「EdgeTech+ 2024」に出展し、同社のマイコン製品群「STM32」で行う産業向けIoT(モノのインターネット)のデモを紹介した。

» 2024年12月06日 14時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は「EdgeTech+ 2024」(2024年11月20〜22日、パシフィコ横浜)に出展し、同社のマイコン製品群「STM32」で行う産業向けIoT(モノのインターネット)のデモを紹介した。

STが展示した産業向けIoTのデモ STが展示した産業向けIoTのデモ[クリックで拡大]

汎用マイコンで低コストの産業IoT

 紹介したデモは、複数のSTM32マイコンを用いて音声UIやタッチパネルから無線通信、産業機器制御や予知保全まで、産業IoTの各種アプリケーションを実現するという内容だ。

 音声UIは、「STM32H5」に東芝デジタルソリューションズの音声ミドルウェア「ボイストリガー」を搭載したもの。タッチパネルには「STM32U5」を用いている。

 音声あるいはタッチパネル操作でモーターの駆動/停止/回転数の増減などを指示すると、Sub-GHz無線トランシーバー搭載のマイコン「STM32WL5」がPrivate LoRa通信でモーター側に指示を伝達する。

音声UI(上段)、タッチパネル(下段右)、無線通信モジュール(下段左) 音声UI(上段)、タッチパネル(下段右)、無線通信モジュール(下段左)[クリックで拡大]
音声UIによるモーター操作の様子。「回転数全開」「モーター停止」などと指示するとその通りに動作する

 指示を受け取ると、「STM32G4」がモーター制御を行う。さらに、モーター付近には「STM32U5」と加速度センサーやマイクを組み合わせて設置していて、異常振動/異常音を検出する。データを無線通信で定期的に取得すれば、点検の手間をかけることなくモーターの予知保全が実現する。振動と音のデータは高速フーリエ変換(FFT)によってリアルタイムで解析できる。なお、加速度センサーとマイクもST製品を用いているという。

 「予知保全のための異常振動/異常音検出にはAI(人工知能)を用いてもいいが、そこまでしたくないという場合はFFTで十分対応できる」(ブース担当者)

モーター制御の様子。下段右の無線通信モジュールが指示を受け取り、上段左のモーターを下段中央のマイコンで制御する。上段右には加速度センサー、下段左にはマイクがあり異常検知を行う振動と音のモニタリング 左=モーター制御の様子。下段右の無線通信モジュールが指示を受け取り、上段左のモーターを下段中央のマイコンで制御する。上段右には加速度センサー、下段左にはマイクがあり異常検知を行う。右=振動と音のモニタリング[クリックで拡大]

 ブース担当者は「STでは産業IoTのさまざまな用途に応じたソリューションを用意している。ニーズに合わせて必要なものを選んで取り入れてもらいたい」と説明した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.