STマイクロエレクトロニクスは「EdgeTech+ 2024」に出展し、同社のマイコン製品群「STM32」で行う産業向けIoT(モノのインターネット)のデモを紹介した。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は「EdgeTech+ 2024」(2024年11月20〜22日、パシフィコ横浜)に出展し、同社のマイコン製品群「STM32」で行う産業向けIoT(モノのインターネット)のデモを紹介した。
紹介したデモは、複数のSTM32マイコンを用いて音声UIやタッチパネルから無線通信、産業機器制御や予知保全まで、産業IoTの各種アプリケーションを実現するという内容だ。
音声UIは、「STM32H5」に東芝デジタルソリューションズの音声ミドルウェア「ボイストリガー」を搭載したもの。タッチパネルには「STM32U5」を用いている。
音声あるいはタッチパネル操作でモーターの駆動/停止/回転数の増減などを指示すると、Sub-GHz無線トランシーバー搭載のマイコン「STM32WL5」がPrivate LoRa通信でモーター側に指示を伝達する。
指示を受け取ると、「STM32G4」がモーター制御を行う。さらに、モーター付近には「STM32U5」と加速度センサーやマイクを組み合わせて設置していて、異常振動/異常音を検出する。データを無線通信で定期的に取得すれば、点検の手間をかけることなくモーターの予知保全が実現する。振動と音のデータは高速フーリエ変換(FFT)によってリアルタイムで解析できる。なお、加速度センサーとマイクもST製品を用いているという。
「予知保全のための異常振動/異常音検出にはAI(人工知能)を用いてもいいが、そこまでしたくないという場合はFFTで十分対応できる」(ブース担当者)

左=モーター制御の様子。下段右の無線通信モジュールが指示を受け取り、上段左のモーターを下段中央のマイコンで制御する。上段右には加速度センサー、下段左にはマイクがあり異常検知を行う。右=振動と音のモニタリング[クリックで拡大]ブース担当者は「STでは産業IoTのさまざまな用途に応じたソリューションを用意している。ニーズに合わせて必要なものを選んで取り入れてもらいたい」と説明した。
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