今回は、Micron Technologyの2024会計年度(2023年9月〜2024年8月期)の業績を紹介する。
半導体メモリの大手メーカーであるMicron Technology(以降はMicronと表記)は2024年9月25日(米国時間)に、2024会計年度(2023年9月〜2024年8月期)の年間業績と同年度第4四半期(2024年6月〜8月期)の四半期業績を発表した(同社の会計年度は9月を期初、8月を期末とする)。
少し古くなってしまうが、本稿では2024会計年度(2023年9月〜2024年8月期)の年間業績をご報告する。2024会計年度(2024年8月期)の売上高は前年比61.6%増の251億1100万米ドルである。前年度(2023会計年度)の同49.4%減(売上高は155億4000万米ドル)から、大きく回復した。
営業損益(Non-GAAPベース)は黒字で、営業利益は19億3500万米ドル、売上高営業利益率は8%となった。前年度の営業損益(同)は赤字で、48億1900万ドルと大きな営業損失を計上していた。なお前年度の売上高営業損失率(Non-GAAPベース)は31%に達する。
純損益(Non-GAAPベース)も2024会計年度は黒字で、純利益は14億7200万米ドルとなった。前年度は48億6200万ドルの純損失を計上していた。
次は事業部門(BU:Business Unit)別の売上高を見ていこう。Micronは「CNBU(Compute and Networking BU)」(コンピューティングとネットワーキング)、「MBU(Mobile BU)」(モバイル)、「SBU(Storage BU)」(ストレージ)、「EBU(Embedded BU)」(組み込み)の4つの事業部門(BU)を備える。
CNBUは、データセンターとPC、グラフィックス、ネットワークに向けたメモリ製品とメモリモジュール製品を扱う。具体的にはHBM、DDR DRAM、LPDDR DRAM、GDDR DRAMなどで、CXLモジュールとMRDIMMを含む。CNBUの2024会計年度売上高は前年比67%増の95億1300万米ドルである。2022会計年度の136億9000万米ドルには及ばないものの、前年に比べると急激に回復した。
MBUは、スマートフォンその他のモバイル機器に向けたメモリ製品とストレージ製品(SSD以外)を扱う。具体的にはLPDDR DRAMとNANDフラッシュメモリ、eMMC、UFSなどである。MBUの2024会計年度売上高は前年比75%増の63億5400万米ドルとなった。販売の主役となったのはLPDDR5 DRAMとLPDDR4 DRAM、マネージドNANDフラッシュソリューションだとする。
SBUはデータセンターとPC、民生に向けたSSDとフラッシュストレージを扱う。具体的にはデータセンター向けのエンタープライズSSDとクラウドSSD、エンタープライズ向けNANDフラッシュメモリ、PC向けのクライアントSSD、民生向けの「Crucial」ブランドSSDなどである。SBUの2024会計年度売上高は前年比80%増の45億9200万米ドルとなった。
EBUは、自動車、産業、民生の組み込み用メモリとストレージを扱う。具体的にはDRAM単体とDRAMモジュール、NANDフラッシュ単体、マネージドNANDフラッシュ、SSD、NORフラッシュメモリなどである。EBUの2024会計年度売上高は前年比27%増の46億1400万米ドルとなった。販売の主役となったのはLPDDR4/5 DRAM、DDR3/4 DRAM、マネージドNANDフラッシュだとする。
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