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AI性能2000TOPSのSDV用SoC、ルネサスとHondaが開発へR-Car X5にAIアクセラレーター追加

本田技研工業とルネサス エレクトロニクスが、SDV用の高性能SoCの開発契約を締結した。ルネサスの車載SoC「R-Car」第5世代品である「R-Car X5」シリーズにAI(人工知能)アクセラレーターをマルチダイチップレット技術によって追加、AI性能2000TOPS、電力効率20TOPS/Wを目指す。

» 2025年01月08日 09時25分 公開
[永山準EE Times Japan]

 本田技研工業(以下、Honda)とルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2025年1月7日(米国時間)、SDV(ソフトウェア定義車)用の高性能SoC(System on Chip)の開発契約を締結したと発表した。ルネサスの車載SoC「R-Car」第5世代品である「R-Car X5」シリーズに、Honda独自のAI(人工知能)ソフトウェアに最適化されたAIアクセラレーターをマルチダイチップレット技術によって追加。AI性能2000TOPS、電力効率20TOPS/Wの実現を目指す。Hondaの新EV(電気自動車)「Honda 0シリーズ」で2020年代後半以降に発売するモデルに搭載予定だ。

Hondaの執行役専務を務める井上勝史氏(左)とルネサスの執行役員Vivek Bhan氏(右)出所:ルネサス エレクトロニクス Hondaの執行役専務を務める井上勝史氏(左)とルネサスの執行役員Vivek Bhan氏(右)出所:ルネサス エレクトロニクス

 同日、米国ラスベガスで開催された「CES 2025 Hondaプレスカンファレンス」で発表した。

 ルネサスは自動車メーカーが取り組むSDVの実現に向け車載半導体の開発に注力していて、2024年11月にはR-Car第5世代品の第1弾となる「R-Car X5H」を発表している。同製品はTSMCの車載用3nmプロセスを採用し、5nmプロセス採用品と比べ30〜35%の低消費電力化を実現。400TOPSのAI機能や4TFLOPSのGPUを搭載するほか、外付けのNPUまたはGPUチップレットを集積するマルチダイシステムとすることで、さらに演算能力を向上可能といった特長がある(詳細は下記リンク)

 Hondaはセントラルアーキテクチャ型のE/E(電気/電子)アーキテクチャを採用する新EV「Honda 0シリーズ」を2020年代後半以降に展開する予定であり、「今回、Hondaの目指すSDVを実現するため、コアECU向け高性能SoCの開発契約の締結に至った」(両社)としている。

 開発するSoCでは、R-Car X5シリーズSoCに、Honda独自のAIソフトウェアに最適化された1600TOPSのAIアクセラレーターを追加するマルチダイシステムとする。これによって「業界トップクラス」(2025年1月、ルネサス調べ)となるAI性能2000TOPS、電力効率20TOPS/Wの実現を目指すとしている。また、チップレット技術を活用することで、「将来においても必要な機能と性能に合わせて柔軟にカスタマイズでき、機能拡張も可能だ」と説明している。

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