3.6G〜4.0GHz帯対応GaN電力増幅器モジュール 三菱電機：北米などの5G Massive MIMO基地局用

三菱電機は、3.6G〜4.0GHz帯で動作する平均出力電力16Wの5G基地局用GaN電力増幅器モジュール「MGFS52G40MB」を開発、サンプル出荷を始めた。5G Massive MIMO基地局用装置の製造コスト削減や電力消費の低減が可能となる。

[馬本隆綱，EE Times Japan]

部品点数を減らし回路設計の負荷を軽減、製造コストの低減も

　三菱電機は2025年3月、3.6G〜4.0GHz帯で動作する平均出力電力16Wの5G基地局用GaN電力増幅器モジュール「MGFS52G40MB」を開発、サンプル出荷を始めたと発表した。5G Massive MIMO基地局用装置の製造コスト削減や電力消費の低減が可能となる。

MGFS52G40MBの外観［クリックで拡大］ 出所：三菱電機

　三菱電機はこれまで、平均出力電力8Wや16Wで動作するGaN電力増幅器モジュールを商品化してきた。この製品は欧州や南アジア、西アジアなどで多く用いられている周波数帯の「3.3G〜3.8GHz帯」に対応している。

　今回開発したのは、北米や東アジア、東南アジアなどで用いられている周波数帯「3.6G〜4.0GHz帯」に対応した製品である。今後増設が見込まれる「32T32R massive MIMOアンテナ」に向け、平均出力電力16Wに対応した。これにより、通信距離を維持しつつ電力増幅器モジュールの搭載数を減らすことができ、コスト低減が可能となる。一方、「64T64R massive MIMOアンテナ」で用いれば、通信距離を延ばすことができるという。

　また、エピタキシャル成長層を改良したGaN HEMTの採用や、高効率動作に適した独自の広帯域ドハティ回路設計技術を適用した。これにより、3.6G〜4.0GHz帯（400MHz帯域）という広い周波数帯域で、電力負荷効率41％の低ひずみ特性を実現している。MGFS52G40MBの外形寸法は11.5×8.0×1.4mm、サンプル価格は個別見積もりとなっている。