エッジデバイス上でAI推論を行う「エッジAI」の導入が拡大する中、ルネサス エレクトロニクスはマイコンやMPUといったハードウェアに加え、ソフトウェアでもエッジAI対応を強化している。同社が提供するエッジAI向け開発ツールやそれを用いた事例について聞いた。
AI関連技術が大きく発展している昨今、消費電力削減やセキュリティ向上のニーズから、クラウド上ではなくエッジデバイス上でAI推論を行う「エッジAI」の導入が拡大している。中でも、マイコンを用いてさらに低消費電力かつ低コストで実現するケースも増えている。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)はマイコンやMPUといったハードウェアに加え、ソフトウェアの面でもエッジAI向けソリューションを提供している。ルネサスのエッジAI向け開発ツールやそれを用いた事例について、ルネサス エンベデッドプロセッシング・プロダクトグループ エンベデッドプロセッシング・ビジネスディベロップメント統括部 第7部 課長の関真樹子氏に聞いた。
関氏によると、ルネサスへのエッジAI関連の相談は増加しているという。「2021〜2022年ごろは『AIに少し興味がある』というケースが多かったが、現在は具体的にやりたいことが決まっているケースがかなり増えている。ルネサスが得意とするモーターや家電向けの相談が特に多い」(関氏)
ルネサスがAI向けでフォーカスする分野は「音声認識」「画像認識」「リアルタイム分析」の3分野。リアルタイム分析は音声/画像以外の入力情報をもとに状況分析を行うものだ。
ルネサスのエッジAI向けハードウェアは、16ビットマイコンからMPUクラスまで幅広い。画像認識はハイエンドマイコンやMPUが中心だが、リアルタイム分析には16ビットマイコンで実現できるアプリケーションもある。
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