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自動車の未来を創る自動運転技術と遠隔制御技術福田昭のデバイス通信(494) 2024年度版実装技術ロードマップ(14)(2/3 ページ)

» 2025年04月04日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

6つの段階(レベル)がある「運転の自動化」

 「自動運転(AD:Autonomous Driving)」には、いくつかの段階がある。日本国内では、米国自動車技術者協会(SAE:Society of Automotive Engineers)が2014年に発表して改訂を重ねて来た定義「SAE International J3016」による6段階の基準(レベル0〜レベル5)を採用している。

 「レベル0」は「No Driving Automation(運転自動化なし)」と呼称しており、運転者が全ての操作(「運転タスク(DDT:Dynamic Driving Task)」と呼ぶ)を実施する。実質的に「レベル0」は運転自動化技術をまったく装備していない自動車を意味する。便宜上、全ての自動車について自動運転レベルを説明するために設けられたレベルとも言える。このため、「自動運転」の段階(レベル)を説明する図表では「レベル0」を含めないこともある。

 一方で「レベル5」は「Full Driving Automation(完全運転自動化)」と呼称しており、自動運転システム(ADS:Autonomous Driving System)が全ての運転タスクを実行する。システムによる運転タスクは、ありとあらゆる道路状況で実施する。タイヤのパンクといった緊急事態が発生した場合でもシステムが対応し、車両の利用者が対応することは想定されない。自動運転の「完全形態」とも呼べる。技術的に難しいだけでなく、法的な整備(道路交通法や事故発生時の賠償責任など)が欠かせない。

 「レベル1」から「レベル4」は当然ながら、「レベル0」と「レベル5」の間に位置する。運転自動化の度合いが最も少ない側から「レベル1(Driver Assistance(運転支援))」「レベル2(Partial Driving Automation(部分的運転自動化))と定義される。レベル0〜レベル2では運転者が全てあるいは一部の運転タスク(DDT)を実行する(「運転主体」が運転者である、とも言う)。そして交通事故発生時の責任は運転者にある。

 「レベル3(Conditional Driving Automation(条件付き運転自動化))」以上になると、運転主体がシステム(自動運転システム:ADS)に換わる。システムが特定条件下ではあらゆる運転タスクを実行するので、「運転者」という概念が消失する。従って「レベル2」以下と「レベル3」以上の間には、技術開発や法的裏付けなどに壁が存在することが分かる。そこで最近ではレベル2をレベル3並みに進化させつつも運転者を残す、「レベル2プラス(レベル2+)」と呼ばれる運転自動化レベルが登場してきた。

 レベル3では突発的な事態によってはシステムが乗員に適切な運転タスクの実行を要求する。これに対して「レベル4(High Driving Automation(高度運転自動化))」では突発的な事態が発生してもシステムが対応する。言い換えると、乗員の全ては運転タスクを実行する技量が求められない。それだけでなく、システムの動作に乗員は介入できない。

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