予測(1)および(2)では、成熟Logicと先端Logicの境界を28nmとして、各種半導体のウエハー需要を分析してきた。一方、ASMLは2030年以降、この境界が28nmから10〜7nmへとシフトすると考えているようだ。その根拠として、最先端の極端紫外線(EUV)露光装置の適用が7nm付近から本格的に始まることが挙げられる。
そこで、以下では、成熟Logic(ASMLが「Mainstream Logic」と定義)を10nm以前、先端Logicを7nm以降とし、2025〜2035年の各種半導体のウエハー需要を予測する。
まず、従来と同様に、2025〜2035年の各種半導体のウエハー需要を積み上げ式のグラフで示した(図11)。この図から、2025年時点ではウエハー需要が小さかった7nm以降の先端Logicが急速に拡大していることが分かる。
次に、各種半導体のウエハー需要を折れ線グラフで示した(図12)。その結果、Mainstream Logic、先端Logic、DRAMのウエハー需要は増加している一方、NANDのウエハー需要はあまり増加しないことが確認された。
さらに、各種半導体のウエハー需要動向をより明確にするため、10nm以前のMainstream Logic、7nm以降の先端Logic、DRAM、NANDについて、2025年、2030年、2035年のウエハー需要を図13に示した。
まず、Mainstream Logicは10年間で月産380万枚増加し、最も大きな成長が見込まれる。次に、先端Logicは月産70万枚から270万枚へと大幅に拡大し、月産200万枚の増加が予測される。また、DRAMは月産170万枚から330万枚へと増加し、月産160万枚の増加が予測される。一方、NANDの成長率は最も低く、10年間で月産40万枚の増加にとどまる。
ここまで、2024年11月14日に開催された“ASML Investor Day”のスライドを基に、2025〜2035年の各種半導体市場およびウエハー需要の動向を見てきた。
しかし、これらの予測には、冒頭で述べた「第2次トランプ政権」と「DeepSeek」の影響が考慮されていない。では、これら二つの要因は、各種半導体市場およびウエハー需要にどのような影響をもたらすのだろうか?
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