Pragmaticは、英国北東部のダラム州にある同社の製造拠点に複数のFabs-in-a-Boxを設立している。Moore氏は「1つのファブの大きさは20m×30mだが、年間当たり数十億個のフレキシブルICを製造できる」と述べる。
「資本効率が極めて高いだけでなく、空間効率や生産効率も非常に優れている。持続可能性も高い。原材料からウエハーを製造するまでに、一般的なシリコンの場合は数カ月間を要するところ、わずか数日間で完了する。エネルギーや水の使用量も大幅に削減できるため、製造された半導体チップはカーボンフットプリントが桁違いに小さくなる」(Moore氏)
「半導体製造の“現地化”は、現在の世界において非常に戦略的な要素だ。これほど短期間で、炭素効率性の高い工場を建設しながらも、600m2の敷地で年間10億個のフレックスICを生産できる規模を維持できるのは極めてまれだ。興味深く、革新的なアプローチだ」(Moore氏)
Putman氏は、Cubefabの顧客を明らかにしていない。「2025年中に、いずれかの顧客に向けて着工できれば、それは喜ばしいことだ。だが、われわれにとって真のマイルストーンは(Cubefabで製造した)チップが出荷され、データセンターや自動車のインバーターに搭載されて実際に動作するのを見ることだろう」(同氏)
Putman氏は、これまでチップが製造されたことのない場所にキューブファブを建設することも可能だと述べている。「アフリカやグローバルサウスのような地域には非常に期待している。これらの地域には素晴らしいAI人材がいるが、半導体市場は、参入するにはあまりにもコストが掛かる分野だった。数十億ドル規模のファブの建設など考えられなかったかもしれないが、これからは違う」
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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