第5世代から第10世代までの性能/ビット密度の進化をまとめたのが下図だ。
第8世代はCBA技術の導入によって「業界トップレベル」(同社)のインタフェース速度や電力効率を実現すると同時にビット密度も高く、太田氏は「第8世代品は多くの顧客から性能、消費電力、信頼性に対して非常に良好なフィードバックと評価を受けている。今回導入したCBA技術は競合を2世代引き離したもので、この優位性はキオクシアのSSD製品の競争力/ラインアップの拡充につながるものだ」と強調した。
新規市場への取り組みについては、メモリの階層構造(メモリヒエラルキー)を示しつつ、現在同社がビジネスの軸とするTLCおよびQLC NAND以外のメモリの開発も進めていると説明。DRAM領域では低消費電力が要求されるAIやポスト5Gなどのシステムメモリを視野に入れ開発を進める、化物半導体(InGaZnO)トランジスタを用いた新構造のDRAM「OCTRAM(Oxide-Semiconductor Channel Transistor DRAM)」を例示した。
また、TLC NANDとDRAMのレイテンシの差を埋めるストレージクラスメモリである「XL-FLASH」にも言及。このXL-FLASHを活用した新たなソリューションとして「Super High IOPS SSD」(詳細は下記リンク)および、「CXL-XL」の展開を予定しているという。
CXL-XLは、CPU間でのメモリ空間の共有を可能にするCXLインタフェース技術を活用したメモリで、2026年後半にサンプル出荷を予定している。太田氏は「より高度な演算を行うためにコンピューティングが大規模化かつ分散化する中、DRAMのみでメモリ容量を拡大することは、コスト面でも電力面でも課題がある。DRAMでは実現できない大容量かつ低レイテンシのメモリ要求に対しては、CXL-XLでサポートする」と語っていた。
同社は超大容量のQLCの開発も進めていく。QLC SSDは既にデータセンタに採用されているが「今後はニアラインHDDに対しても TCO(Total Cost of Ownership)で対抗しうる大容量、低コストのQLCなどを開発していく」という。
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