ノリタケは、窒化ガリウム(GaN)ウエハー用の「研磨パッド」を開発した。研磨速度が速く加工時間を短縮できる。パッドの摩耗も少なく長期間の使用が可能となる。
ノリタケは2025年8月、窒化ガリウム(GaN)ウエハー用の「研磨パッド」を開発したと発表した。研磨速度が速く加工時間を短縮できる。パッドの摩耗も少なく長期間の使用が可能となる。
半導体ウエハーは、微細な回路を形成するため、研磨パッドを用いて表面を平たん化している。ところが、通信用半導体デバイスなどの製造に用いられるGaNウエハーは極めて硬く、もろい素材のため研磨加工が難しく、表面を平たんに仕上げるためには作業時間も長くなっていた。
研磨時間を短縮するためには、pH1〜2という強酸性領域で研磨するのが有効だが、半導体分野で用いられている一般的な研磨パッド(スエードパッド)は、強酸性領域での使用に耐えられず劣化していた。しかも、パッドの表面に研磨剤スラリーを流しながら研磨加工しており、使用後の研磨剤スラリーは産業廃棄物として処理する必要があった。
今回開発した研磨パッドは、有機物と無機物を複合する独自技術によって、強酸性領域にも耐えられるようにした。この結果、研磨加工を従来品に比べ30倍という高速で行えるため、加工時間を大幅に短縮できる。また、耐酸性樹脂(有機物)で研磨剤(無機物)を内包した。これによってパッドの摩耗を抑え、従来品に比べ15倍以上も長く使用できるという。
さらに、研磨加工の時間短縮によって使用する研磨剤スラリーの量を削減できるだけでなく、場合によっては研磨剤スラリーを使わずに研磨加工することも可能だという。
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