「脱溶剤の1番バッターに」 基板保護コーティング剤に注力の積水フーラー:5秒で固まるUV硬化タイプなどを展開(2/2 ページ)
UV硬化タイプのコンフォーマルコーティングは、低粘度流動性充填剤と高粘度非流動性枠材の2タイプを用意。5〜6秒のUV照射で硬化できる生産性の高さと、部分的な塗布/充填に対応していることが特徴だ。積水フーラーの製品は、従来のUV硬化タイプよりも防水/防湿性能に優れるという。
UV硬化タイプのコンフォーマルコーティング剤を基板中央に塗布したサンプル。説明用に厚めに塗布してある[クリックで拡大]
ホットメルトタイプは、硬度や応力が低いことから、実装部品へのストレスを低減できる。塗布から10秒ほどで空冷されて固化するので、固化用の設備も必要ない。粘度が高いので、パターンを描くように必要な部分にだけ塗布できる。
出荷時にはマシュマロのような形状のコーティング剤をフィルムで包んで段ボール箱に入れていて、常温で積み上げて保管できる。使用時には外装フィルムごと装置に入れて使用でき、後処理は段ボール箱を捨てるだけでよい。澁谷氏は「液状で一斗缶に入った従来製品よりもずっと管理が楽になるはずだ」と説明する。
塗工には、衛生用品や飲料の生産ラインでも用いられるホットメルト用の汎用的な装置が利用できるという。
ホットメルトタイプタイプのコンフォーマルコーティング剤を基板に塗布したサンプル。説明用に厚めに塗布してある[クリックで拡大]
ホットメルトタイプのコーティング剤。外装フィルムごと装置に入れて使用できる[クリックで拡大]
現行品の耐熱温度はUV硬化タイプが90〜95℃程度、ホットメルトタイプが80〜90℃程度で、現在の用途はエアコンや洗濯機といった民生機器が中心だ。今後は自動車でのニーズに向けて、材料選定や組成の見直しで耐熱性を高める研究開発を進めていく計画だ。
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