台湾の市場調査会社TrendForceによると、世界ファウンドリー市場は2025年第2四半期(4〜6月)、前四半期比14.6%増の417億米ドルと過去最高を記録。市場トップのTSMCは、シェアが過去最高の70.2%に達したという。
台湾の市場調査会社TrendForceは2025年9月1日(台湾時間)、世界ファウンドリー市場の最新調査を発表した。それによると同市場は2025年第2四半期(4〜6月)、前四半期比14.6%増の417億1800万米ドルと過去最高を記録。市場トップのTSMCは、シェアが過去最高の70.2%に達したという。
TrendForceによると、2025年第2四半期の世界ファウンドリー市場の成長は、中国の消費者向け補助金制度による在庫削減の促進や、2025年後半に発売される新型スマートフォンおよびPC、サーバの需要増加がけん引したという。ランキングをみると上位10社のうちSMIC以外の9社が前四半期比で成長している。
首位のTSMCは、主要スマホ顧客が生産サイクルに入ったほか、AI向けGPUやPCの出荷も好調だったことからウエハー出荷量とASP(平均販売価格)が上昇。売上高は前四半期比18.5%増の302億3900万米ドルとなったうえ、市場シェアも2.6ポイント増加し過去最高の70.2%に到達した。
2位のSamsung Foundryも、スマホ需要や任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」の増産の恩恵を受けて堅調に推移。売上高は前四半期比9.2%増の31億5900万米ドルとなった。シェアは同0.4ポイント減の7.3%だった。一方、3位のSMICは米国の関税や中国政府の補助金による恩恵を受けつつも、先進ノード生産ラインの課題に直面していたことで、出荷の遅延やASPの低下が発生。売上高は同1.7%減の22億900万米ドル、シェアは同0.9ポイント減の5.1%となった。
4位のUMCは、出荷量とASPの双方が増加し、売上高は前四半期比8.2%増の19億300万米ドルで、シェアは4.4%。5位のGlobalFoundriesは新製品の在庫積み増しとASPの小幅な改善によって売上高は同6.5%増の16億8800万米ドル、シェアは3.9%となった。
6位はHuahong Groupだ。中国の消費補助金政策とIC国産化推進を背景に子会社のHHGraceで稼働率が改善し、ウエハー総出荷量が増加。ASPは小幅に下落したものの、HHGraceの売上高は前四半期比4.6%増となったという。同グループは、同じく子会社のHLMCおよび関連事業を含めた連結売上高が5.0%増の10億6100万米ドルに達した。市場シェアは2.5%だった。
7位はVanguard International Semiconductor(VIS)で前四半期比4.3%増の3億7900万米ドル。8位のTower Semiconductorは2025年下期向けの生産再開に伴う顧客の在庫補充で稼働率が改善し、同3.9%増の3億7200万米ドルとなった。9位のNexchipも補助金需要と周辺IC受注増の恩恵を受けたが、低価格化が上昇幅を抑制し、売上高は同2.9%増の3億6300万米ドルに増加。10位のPSMCは同5.4%増の3億4500万米ドルだった。
2025年第3四半期について、TrendForceは新製品への季節的な需要が受注の勢いを牽引するとみている。先端ノードはフラグシップチップの堅調な需要の恩恵を受け、成熟プロセスは周辺ICの受注に支えられる見込みで、結果として市場全体の稼働率は上昇。緩やかなペースではあるものの、継続的な成長を支えると予想している。
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