日本材料技研は、負熱膨張材料「BNFO」について、年産1トン以上の量産体制を確立するとともに、高耐熱グレード品「BNFO-HT」を開発した。精密樹脂成型部品や導電性ペースト、接着剤など、高温プロセスを伴う産業用途への適用が可能となる。
日本材料技研は2025年11月、負熱膨張材料「BNFO」について、年産1トン以上の量産体制を確立するとともに、高耐熱グレード品「BNFO-HT」を開発したと発表した。精密樹脂成型部品や導電性ペースト、接着剤など、高温プロセスを伴う産業用途への適用が可能となる。
同社のBNFOは、ビスマス、ニッケル、鉄からなるペロブスカイト構造を持つ酸化物セラミックス「BiNi1-xFex03」だ。温度上昇によって結晶構造が変化し、体積が大きく収縮する。電気抵抗や熱抵抗も変化するため、電子部品などに用いられている。
同社はこれまで、材料を発明した東京科学大学の東正樹教授や、神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)と共同研究を行い、工業的製造プロセスの開発に取り組んできた。経済産業省の「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」にも採択され、量産体制の確立や新製品の開発を進めてきた。
そして今回、年間1トン以上のBNFOを量産できる体制を整えた。さらに、400℃以上の高温に耐える高耐熱グレード品として、負熱膨張温度域が0〜60℃程度の「BNFO-HT24」と150〜180℃程度の「BNFO-HT40」を新たに開発した。これにより、エンジニアリングプラスチックや熱可塑性樹脂における高温溶融混錬プロセスにもBNFOの適用が可能となった。
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