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最新ドローンを分解 本体も中身も中国勢が圧倒この10年で起こったこと、次の10年で起こること(98)(3/3 ページ)

» 2025年11月28日 10時30分 公開
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新チップに総入れ替えした「DJI Neo 2」

 図9はDJIから2025年11月に発売されたばかりの「DJI Neo 2」である。内部のプロセッサなどは前機種のNEOのものを使用せず、新チップに総入れ替えしている。LiDARも搭載され、より安全にフライトできるようになっている。DJI機はハイエンドから、エントリーモデルまで衝突回避のカメラ、LiDARを搭載する。2025年のドローンの特徴と言っていいだろう。内部はDJIの新プロセッサと、中国UNICORE社のGNSSチップ、AIC社の通信チップなど多くの中国チップが搭載されている。最終製品と半導体が一体となって開発されるチップが多いので、性能、機能面でも欧米日チップに匹敵する、もしくはそれ以上の内容となっているようだ。

図9:2025年11月に発売された「DJI Neo 2」の外観とメイン基板 図9:2025年11月に発売された「DJI Neo 2」の外観とメイン基板[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

日本製ドローンも中身の半導体は中国製

 図10は日本のジーフォースが2025年7月に発売したドローン「LEVIO」だ。100g以下の空撮ドローンである。内部はほぼ中国チップ。通信はAIC社、マイコンはPUYA社とMM社など。中国製チップの“展示会場”のような構成になっている。多くを語りたい気持ちもあるが、分解し、エビデンスを報告することに今回も徹したい。2025年のドローン、本体も中国製が圧倒的に多いが、内部も同様に中国製が圧倒するものになっている。

図10:ジーフォース「LEVIO」の外観と、搭載チップ 図10:ジーフォース「LEVIO」の外観と、搭載チップ[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 次回は2025年のスマートウォッチを5機種ほど取り上げたい。

執筆:株式会社テカナリエ

 “Technology” “analyze” “everything“を組み合わせた造語を会社名とする。あらゆるものを分解してシステム構造やトレンドなどを解説するテカナリエレポートを毎週2レポート発行する。会社メンバーは長年にわたる半導体の開発・設計を経験に持ち、マーケット活動なども豊富。チップの解説から設計コンサルタントまでを行う。

 百聞は一見にしかずをモットーに年間300製品を分解、データに基づいた市場理解を推し進めている。


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