トレックス・セミコンダクターは2025年12月18日、60V入力に対応する降圧DC-DCコンバーター「XC9711」シリーズの販売を開始した。「60V品として最小クラスのソリューションサイズ」を実現していて、制御方式切り替え機能や、電源シーケンス制御機能などを備える。
トレックス・セミコンダクター(以下、トレックス)は2025年12月18日、60V入力に対応する降圧DC-DCコンバーター「XC9711」シリーズの販売を開始した。サンプル価格は308円(税込)になる。
Nch-NchドライバーFETを内蔵したブートストラップ方式の同期整流降圧DC-DCコンバーターで、入力電圧は4.5〜60V、出力電圧設定は2.5〜18.0V、出力電流は1.0Aに対応する。不安定な24V入力から、低リップルの3.3V/5Vを安定して出力可能で、最大125℃の周囲動作温度にも対応する。
発振周波数は800kHz。トレックスの担当者によると、発振周波数が低いと重負荷効率が良くなる一方、コイルやコンデンサーなど外付け部品が大きくなってくる。高いと小さな外付け部品で駆動できるが、重負荷効率が低くなる。「800kHzは両方の良いとこ取りができる周波数だ。高効率を実現するとともに、外付け部品を含めた回路全体が10.8×8.2mmに収まり、60V入力品として最小クラスのソリューションサイズを実現した」という。
制御方式を切り替え可能なMODE端子を備える。どの負荷でも周波数が一定で、ノイズ対策が容易なPWM制御と、軽負荷から重負荷まで高効率を実現できるPWM/PFM制御の2モードから選択可能だ。
EN/SS端子に抵抗と容量を接続すれば、ソフトスタート時間を外部から調整できる。出力電圧を監視し、設定電圧に達したら後段デバイスへの出力を行うパワーグッド機能とあわせて、電源シーケンスを容易に制御できるという。その他、保護機能として、電流制限や出力過電圧保護、サーマルシャットダウン、Lx端子短絡保護を内蔵する。
「ファクトリーオートメーション(FA)や工場、ビル設備のセキュリティ機器など、幅広い産業用途に対応できる。消費電流も9μAと低く、中高耐圧のLDOレギュレーターから本製品に置き換えれば、発熱課題の解消と基板面積の削減を同時に達成可能だ」(トレックス担当者)
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実装面積69.56平方ミリ、60V耐圧の300mA 降圧DC-DCコンバーターCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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