キオクシアHDは、2025年度第4四半期も、需給の逼迫によって全てのアプリケーションで販売単価の大幅な上昇を見込んでいるという。この結果、同四半期の売上高は8540億〜9350億円になると予想している。GBベースの出荷量は全体としては減少するものの、データセンター/エンタープライズ向けSSDの比率が高まる見通しだ。また、スマートデバイスも、ハイエンドスマホ向け需要が依然として強いことから「物量は軽微な減少にとどまる見込み」とした。
第4四半期のNon-GAAP営業利益は4400億〜5300億円を見込む。販売単価の上昇に加え、データセンター向け製品などの高付加価値製品の販売拡大を通じて収益性を強化するとしている。またNon-GAAP当期純利益は3100億〜3700億円を見込んでいる。花澤氏は「営業利益および当期純利益には、IFRSに基づき年間分の固定資産税120億円を第4四半期に一括計上する影響を含むが、それを大きく上回る増益を見込む」と説明していた。
この結果2025年度通期では、売上高が2兆1798億〜2兆2698億円、Non-GAAP営業利益が7170億〜8070億円、Non-GAAP当期純利益が4597億〜5197億円と、いずれも過去最高を更新する見通しだ。花澤氏は「当社が誇る投資効率、製造力、製品開発力を背景に、業界最高水準の収益性を実現していく」とした。
また、第8世代BiCS FLASHは予定通り2026年3月末までに生産比率が第5世代を上回り、主力製品となる見込みだという。花澤氏は「引き続き、AI需要を捉え競争力のある製品を伸ばすことで収益の拡大、改善を目指す」と語っていた。
キオクシアHDは今回、2026年1月30日に発表した、四日市工場におけるSandiskとの合弁会社(JV)の契約期間延長と条件見直しについても説明。契約期間を従来の2029年末から2034年末まで5年間延長することで合意し、「これによって北上工場と同様、長期的な生産体制が確立される」とした。
さらに、キオクシアHDが提供する製造サービスや継続的な製品供給の対価として、2026年から2029年の4年間で総額11億6500万米ドル(約1782億円)のキャッシュを受領する。これは、年間平均では約2億9000万米ドル(約450億円)規模になる。そして、このキャッシュに関連する収益として、2026年2月から2034年12月までの9年間、年間約1億3100万米ドル(約200億円)の売り上げを追加計上する予定で「これは、全額がそのまま営業利益に寄与する」と強調。従来、Sandisk向けは生産受託に関して年間約2000億円規模をアットコストで計上していたが、そこから対価を反映したモデルへ切り替える形となった。
キオクシアHDは「当社は競合に先駆けて独自に開発する要素技術、プロセス技術、デバイスの要素設計技術等の成果を共同開発の場に持ち込むことで、投資効率が高く、競争力も強い製品の量産へつなげている」としている。
また、四日市、北上工場におけるウエハー製造の100%をキオクシア側がコントロールし、両製造拠点での工場運営と生産管理に必要とされる全ての要素を、キオクシアが独自に進めているといい、「例として、部材/間材/設備の調達、自動化システムの最適化、処理時間や生産リードタイムの短縮、生産/歩留管理を実施している。今回、SandiskとのJVを、キオクシアが提供する戦略的および技術的価値、そして当社の生産プロセスが創出するNAND市場での付加価値の対価を反映したモデルへと転換した。これによって、今後は当社のキャッシュフローと収益力が一層強化されることになる」と説明している。
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