――2025年4月に「研究開発センター」を新設し、同センター長およびCTOに就任されました。体制はどう変わり、何が改善されたのでしょうか。
大池氏 われわれの大きな特徴の1つは、多くの応用カテゴリーを有していることだ。重要なのは、スマートフォン、車載、産機で優先されるニーズが異なる中、あるカテゴリー向けに立ち上げた技術を、いかに早くタイムリーに他カテゴリーに展開できるかだ。ビジネスカテゴリーをまたいで技術戦略を一本に通していく。共通の技術資産として最大限活用していくことが競争力につながる。
新しい技術を開発する際にも「最終的には複数カテゴリーへ展開できる技術」として構想することが重要だ。どのカテゴリーから最初に導入するのが最も成功確率が高いのか、どこで立ち上げれば技術として最も成立しやすいのか、そして次にどこへ展開するのか、そうした流れを戦略的に設計していく必要がある。それが私に求められている役割であり、この1年間取り組んできたことだ。
その結果、「ある市場向けでは技術が存在していたのに、別の市場への商品化が遅れた」といったようなことが減ってきている。技術の風通しが良くなり、事業間での技術展開スピードが上がってきていると感じている。
大池氏 もう1つ重要なのは、新しい事業の柱を技術から生み出していくことだ。現在もスマートフォン市場は非常に大きなボリュームを持っていて、しばらくその構造が変わることはないだろう。だが、それに加え、当社が持つ技術アセットを生かして新しい事業をどう創出していくかにも、この1年注力してきた。
これはイメージセンサー単体に限った話ではない。2025年9月に新設した「インテリジェントシステム開発部門」では、当社のさまざまなセンシングデバイスや技術アセットを活用し、どういうセンサー群で次の事業を起こせるかということに挑戦している。
前述のフィジカルAIも、その代表例だ。フィジカルAIには、必ず現実世界とAIをつなぐ「界面」が必要になる。その界面に対して、何が求められるのか。そして、私たちの技術アセットがそこにどう生かせるか、その部分を作り上げていくことが、大きな挑戦だと考えている。
――CTOとして、今後の技術革新に向けた思いを聞かせてください。
大池氏 最終的には、やはり技術ナンバーワンであり続けることが極めて重要だ。社内でも「期待を超える存在でありたい」というメッセージを発信している。
「驚きと感動」はわれわれが大切にしている価値観だが、技術ナンバーワンだからこそ、初めて見るものへの「驚き」が生まれる。期待を超えたときに初めて「感動」が生まれる。そのために何をすべきか、一丸となって突き詰めていきたい。
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