電力損失19%削減した産業用IGBTモジュール10種 三菱電機:産業用機器向けインバーターに最適
三菱電機は、最新のIGBTを搭載することで電力損失を最大約19%削減したパワー半導体モジュール「産業用NXタイプ1.2kV IGBTモジュール」10機種を開発、サンプル出荷を始めた。産業用機器向けインバーターなどの電力消費を低減できる。
三菱電機は2026年5月、最新のIGBTを搭載することで電力損失を最大約19%削減したパワー半導体モジュール「産業用NXタイプ1.2kV IGBTモジュール」10機種を開発、サンプル出荷を始めた。産業用機器向けインバーターなどの電力消費を低減できる。
産業用NXタイプ1.2kV IGBTモジュールの外観[クリックで拡大] 出所:三菱電機
新製品は、同社で第8世代となるIGBTを搭載した。独自のSDA構造を採用したことで、ノイズ発生の要因となるdv/dtを抑えた。第7世代品に比べ高速スイッチングが可能となり、ターンオン時の電力損失を低減した。
また、独自のCPL構造によりターンオフ時の過電圧を抑えたことで、IGBTチップの薄厚化を可能にした。ターンオン/ターンオフおよび、導通時の電力損失も少なくできた。
さらに、IGBTとダイオードのチップ配置を最適化した。これにより、従来品と同一パッケージでありながら、定格電流が1.25倍となる1000A品も新たに用意した。
産業用NXタイプ1.2kV IGBTモジュールの主な仕様(CM**DX-24Mははんだピンタイプ、CM**DXP-24Mはプレスフィットピンタイプ)[クリックで拡大] 出所:三菱電機
パワー半導体3社連合とデンソー提携のアナログ「両軸を強化」 ローム社長
ローム社長の東克己氏は2026年5月12日、「デンソーとの提携によるアナログ、東芝デバイス&ストレージ(D&S)および三菱電機との取り組みによるパワー、この両輪を強化することでソリューション提供力を高め企業価値の最大化を目指していく」などと述べた。
「3社のパワー半導体事業を切り出し合弁設立したい」三菱電機社長
三菱電機の社長である漆間啓氏は2026年4月28日、ロームおよび東芝と進めるパワー半導体事業統合協議について、「3社のパワー半導体事業を切り出し、合弁会社を設立したい」と述べた。
三菱電機、福岡にパワー半導体新工場 設計〜生産一貫体制を構築
三菱電機は2026年4月15日、パワーデバイス製作所福岡地区(福岡市)に新工場棟「パワーデバイスA棟(PA棟)」を建設し、竣工式を行った。PA棟には敷地内に点在していた製造ラインの一部を集約し、生産効率の向上を図る。設計や開発部隊の近接に配置され、設計から生産まで一貫体制を構築する。
高配向性熱分解グラファイトの自己復元特性を確認、三菱電機ら
三菱電機と京都大学は共同で、高配向性熱分解グラファイト(HOPG)に対する疲労試験の方法を確立するとともに、HOPGの自己復元特性を初めて確認した。HOPGを素材とするMEMSの長寿命化を実現するとともに、MEMSを搭載するスマートフォンや車載システムの信頼性向上が可能となる。
トレンチ型SiC-MOSFETチップをサンプル提供、三菱電機
三菱電機が、パワー半導体「トレンチ型SiC-MOSFETチップ」4品種を開発し、2026年1月21日からサンプル品の出荷を始める。電気自動車(EV)のトラクションインバーターやオンボードチャージャー、大陽光発電などの再生可能エネルギー用電源システムなどの用途に向ける。
パワー半導体の電力損失を低減できる仕組みを解明
三菱電機と東京科学大学、筑波大学および、Quemixは、シリコンに注入した水素が、自由電子を生成する仕組みを解明した。これによって、IGBTなどシリコンパワー半導体デバイスの電子濃度を高度に制御し構造設計や製造方法を最適化できれば、電力損失を低減することが可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.