Freescale Semiconductorが、スコットランドのファブを売却した。ただし同社は、ファブの一部を賃借して研究開発などを続ける予定だとしている。
Freescale Semiconductorが、英スコットランドのイーストキルブライドにあるファブを売却したことが明らかになった。同ファブの売却を担当した企業が2011年8月17日に発表した。なお、同ファブは2年前から半導体の製造を停止している。
同ファブを買収したのは、スコットランドのエディンバラに拠点を置く不動産開発業者であるClowes Developmentsだ。ただし、買収金額などの詳細は明らかにされていない。
Freescaleは2009年に同ファブでの半導体製造を停止して以降、同施設を研究開発などの企業活動の拠点として利用してきた。
Clowes Developmentsは今回の契約により、26エーカー(約10万5000m2)の用地に建設された80万平方フィート(約7万4000m2)の施設全体を買収する。Freescaleは今後、Clowes Developmentsから7万平方フィート(約6500m2)のオフィススペースを賃借する形で、
アプリケーションエンジニアリングやシステム構築、製品工学などの研究開発を続ける。
なお現時点では、Clowes Developmentsが今後、同施設をどのように整備するかについては、明らかにされていない(図1)。
今回のFreescaleのファブ売却は、米ワシントン州シアトルに拠点を置く国際的なアドバイザリー企業であるATREGと、同社の元親会社で不動産サービス企業のColliers Internationalが担当した。ATREGとColliers Internationalの両社は、Freescaleが2010年にスコットランドのダンファームリンにある半導体製造施設を英国の投資企業Shepherd Offshore Servicesに売却した際にも、代理人を務めている。
Colliers Internationalでロジスティクス/インダストリアル部門のディレクタを務めるIain Davidson氏は、「今回の売却は、過去数年間にスコットランド西部で実施された不動産売却取引の中でも最大規模のものだ。当社は、困難な市況下で、現地で買い手を探し出すことに成功した。売却施設の規模や特性に加え、施設の一部を賃借したいというクライアント(Freescale)の要請があったことから、複雑な取引となったが、Clowes Developmentsへの売却が滞りなく完了したことを喜んでいる」と述べている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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