ウェアラブル機器は、さまざまな製品が登場している。今後は、無線通信を活用し、携帯電話機やソーシャルネットワークと接続することで、普及が加速するとみられている。
米国の市場調査会社であるABI Researchが発表したリポートによると、「身に着けられる小型機器、いわゆるウェアラブル機器の市場は、2016年までに、年間1億台を超える規模に達する見込みだ」という。今後5年間で、民生機器やヘルスケアの分野で導入が進むとみられるためだ。現在、運動中の心拍数を測定する心拍数モニターから血糖値測定器に至るまで、さまざまなウェアラブル機器が登場している。また、これらを携帯電話機などと接続することで、測定値のトラッキングやモニタリングが可能になる技術も発表されている。
ウェアラブル機器は、超低消費電力の無線通信技術を活用し、携帯電話機やソーシャルネットワークと連携することで普及が進むとされている。超低消費電力の無線通信技術とは、例えば、シングルモードのBluetooth 4.0や、現在策定が進んでいる国際標準規格「IEEE 802.15.6」などである。こうした無線技術やネットワークを活用することで、ウェアラブル機器の測定結果を友人と共有し、互いにアドバイスや情報を交換することも可能になる。
ABI Researchでワイヤレスヘルスケア&M2M(機器間通信)部門の主席アナリストを務めるJonathan Collins氏は、「ウェアラブル機器の市場では、さまざまな近距離無線通信プロトコルが乱立し、従来よりパソコンとの接続に使われてきたUSBケーブルなど、有線の接続技術に対抗しようとしている」と述べている。
スポーツ機器やフィットネス機器は、長年にわたり独自規格の近距離無線通信技術を採用してきた。しかし、標準規格への準拠が進んでいることで、スポーツ/フィットネス機器の市場は成長期に入っている。また、医療用機器の分野でも、無線通信技術を搭載したウェアラブル機器が持つ可能性に対して、注目が高まっているという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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