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欧州のITサービスプロバイダ、「Android」を採用した車載インフォテインメントシステムのデモを披露ビジネスニュース

Tietoが、Android OSを搭載した車載インフォテインメントシステムのデモを披露した。タブレットPCのような構想を取り入れたもので、まずは電気自動車をターゲットとする。

» 2011年09月22日 18時19分 公開
[Christoph Hammerschmidt,EE Times Europe]

 IT業界の消費者市場では現在、クラウドコンピューティングやタブレットPC向けハードウェア、オープンソースOSなどが広く普及している。欧州の大手ITサービスプロバイダであるTietoは、これらすべての要素を自動車環境に取り入れようとしている。

 Tietoは、これまでの車内インフォテインメントを根本的に覆す、次世代の車載用インフォテインメントシステムのデモンストレーションを披露した。このシステムはOSに「Android」を搭載しており、タブレットPCと同じように動作する。操作も、ノブやボタンではなく、タッチスクリーンで行う。さらに、タブレットPCと同じように、アプリケーション(アプリ)を追加することで機能を拡張できる点も特徴となっている(図1)。

ALT 図1 Tietoが披露した車載インフォテインメントシステムのデモ

 このシステムは、まずは電気自動車(EV)をターゲットとする。そのため、走行可能な距離や目的地までの距離などを表示するバッテリ管理アプリなど、EVに必要とされるようなアプリを搭載している。将来的には、最寄りの充電ステーションの場所や、カーシェアリングに関する情報なども提供できるようにするとしている。また、運転手(ユーザー)が、自分専用のアプリをインストールすることも可能だ。さらに、同システムはクラウドに接続することができる。そのため、既に提供中のアプリ、あるいは現在開発中のアプリのいくつかは、アプリケーション論理をクラウドのリモートサーバーで実行しながら、フロントエンドクライアントに表示することが可能になっている。

 Tietoは、Texas Instruments(TI)とMissing Link Electronics(MLE)が共同で開発したハードウェアプラットフォームを採用した。システムは、動作周波数が1GHzのデュアルコアプロセッサを搭載している。また、このプラットフォームは、携帯機器向けの標準部品を採用することにより、消費電力を最小限に抑えている。加えて、無線LANやBluetooth、USB、microSDといったさまざまな標準インタフェースを介して外部通信を行うという。

 今回のプラットフォームは、ドイツのRWTH Aachen University(アーヘン工科大学)が参加する研究コンソーシアム「StreetScooter」の研究成果である。ドイツのフランクフルトで2011年9月15〜25日にかけて開催されている国際モーターショーにおいて、初めて公開される予定だ。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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