写真で振り返るCEATEC(後編) あのスパコンの“トーフ”、ドコモの食品サンプル……:CEATEC 2011 フォトギャラリー(2/4 ページ)
キャパシタを搭載した小型電気自動車 富士通が展示した。連結子会社であるFDKの高電圧・大容量リチウムイオンキャパシタ「EneCapTen」を動力用の蓄電素子として搭載している。同キャパシタを2直列×3並列に組み合わせ、容量が300F(ファラッド)で電圧が90Vのモジュールにまとめて内蔵した。充電電流は150A。フル充電に要する時間は1分と短い。走行試験の結果は次の通り。走行距離は3.5km、走行時間は13.8分、平均速度は21km/h。加速時には最大379Aをモーターに供給し、40km/hから80km/hまで5秒で加速した。これは、一般的なハイブリッド車と同等の加速性能だという。
OptaMotiveの三輪電気自動車 CEATEC初出展となるアナログ半導体ベンダーMaxim Integrated Products(マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ)の日本法人マキシム・ジャパンが展示した。電気自動車の開発企業であるOptaMotiveの「E-Rex」で、駆動用に搭載したリチウムイオン二次電池モジュールの監視に、Maximのアナログチップ「MAX11068」を採用している。このチップは、スタック中の各セルの端子電圧を測定してホストマイコンに通知する機能や、過電圧や低電圧といったスタックの各種障害を検出する機能を搭載する他、各セルを個別に充放電してスタック全体の充電状態をバランスさせる際に利用できるアナログスイッチも集積している。同様のチップは米国の大手アナログ半導体ベンダー各社も製品化しているが、それらとの違いについてマキシム・ジャパンは、「耐圧が80Vと高い。二次電池にインバータなどの負荷を接続した際に、二次電池の端子間電圧を超えるような過大な電圧雑音が過渡的に発生する場合がある。そうした雑音に対して、高い耐性を確保できる。競合他社品の耐圧は60Vにとどまっていた」と説明している。この監視IC単体で最大12セルを測定できる。複数個を縦列に接続(デイジーチェーン接続)すれば、よりセル数の多いスタックにも対応可能だ。最大31個までデイジーチェーン接続し、最大372セルを監視できる。この三輪電気自動車では、15個のチップで160セルを監視しているという。
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