2012年の世界半導体設備投資額は、2011年の投資額(予測値)に比べて19.5%減少するという。経済の低迷の他、需要の鈍化やタイの洪水の影響など、さまざまな要因が重なっている。
米国の市場調査会社であるGartnerは、「2012年の半導体設備投資額は、2011年の予測額である642億米ドルから517億米ドルに減少する」との予測を発表した。一方、2011年の設備投資額は、2010年から13.7%の増加になる見通しだという。
Gartnerでマネージングバイスプレジデントを務めるKlaus Rinnen氏は、報告書の中で「2011年の半導体製造装置市場は確かに自然災害や経済の影響を受けたが、設備投資額は前年比で13.7%増加する見通しだ。しかし、2012年は、2011年のようにはいかないだろう。マクロ経済の減速や高い在庫率、PC業界の低迷に、需要の鈍化とタイの洪水の影響が重なり、2012年の製造装置市場の見通しは暗いと言わざるを得ない」と述べている。
また、2012年におけるウエハー製造装置(WFE)、パッケージング/組み立て装置、自動試験装置(ATE)への投資額は、「2011年の予測額である432億米ドルから21.3%減少し、340億米ドルになると予想している」(Gartner)。
Gartnerは、最新の半導体設備投資予測を、2011年9月に発表した予測からわずかに下方修正している。2011年9月の時点では、2012年の設備投資額は前年比16.2%減になると予想していた。
同社は、現在の半導体業界の低迷は2012年第2四半期まで続くと予想する。同四半期までには、半導体の需要と供給のバランスが整い、場合によっては若干の供給不足が生じる可能性もあるという。
需要と供給のバランスが取れると、消費の高まりやPC市場の回復による需要の増加に対応するために、DRAMメーカーやファウンドリ各社は、設備投資を増やす必要がある。Gartnerは、2013年の半導体設備投資額は前年比19.2%増となる646億米ドルで、製造装置への投資額は前年比25%増の425億米ドルに回復すると予想している。なお、ここでの製造装置とはWFE、パッケージング/組み立て装置、ATEを指す。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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