日本電産は、2010年10月に買収したEmerson Electricの技術をベースに、電気自動車(EV)用のSRモーターを開発した。SRモーターは、永久磁石が不要なため、レアアースを使わずに実現できるモーターの有力候補として注目されている。
日本電産は、「第4回国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレ展)/第3回EV・HEV駆動システム技術展(EV・HEV展)」(2012年1月18〜20日、東京ビッグサイト)において、電気自動車(EV)向けに開発したSR(Switched Reluctance)モーターを披露した。SRモーターは、現行のEVの走行用モーターに使用されている永久磁石が不要なことから、レアアースを使わずに実現できるモーターの有力候補として注目されている。
このSRモーターは、同社が2010年10月に買収したEmerson Electricのモーターおよびアプライアンス制御事業の技術がベースとなっている。「米国では、建機や農機具向けにEmerson ElectricのSRモーターが採用されている。これを、乗用のEVやHEVで向けで利用できるように、SRモーターの課題だった振動や騒音を低減した。2013年には量産を開始したい」(日本電産)という。モーターの出力は、定格で19kW、最大で44kW。最大トルクは86Nm、最高回転速度は1万2000回転/分。外形寸法は直径177×長さ234mmで、重量は26.5kgである。
SRモーターは、価格の高騰が問題になっているレアアースを使用する永久磁石が不要なので、低コストで製造できるというメリットがある。その一方で、永久磁石モーターよりも精密に制御しなければならないため、専用のインバータが必要になる。日本電産は、SRモーターと併せて、専用インバータや減速機の提供も検討している。
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