メガソーラーなどの大規模再生可能エネルギーの買い取り価格が決まった。経済産業省によれば、10kW以上の太陽光は42円で、買い取り期間は20年である。買い取り価格が高めの金額に決まったことで、再生可能エネルギーに取り組む企業の動きが、今後、一気に加速することが予想される。
経済産業省は2012年6月18日、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の調達価格と賦課金単価など、制度の詳細を決めたと発表した。経済産業省令第四十六号などとして、7月1日から施行する。
2012年7月から2013年3月末までの2012年度の調達価格(買い取り価格)と期間を、事前に公表されていた調達価格等算定委員会の意見書*1)の通りとした。すなわち、最大出力10kW以上の太陽光(メガソーラーなど)は42円(税込み、以下同じ)で、買取期間は20年。20kW以上の風力は23.1円(20年)、1.5MW以上の地熱は27.3円(15年)である。このほか、水力やバイオマスについても価格と期間を定めた。
*1) 調達価格等算定委員会の意見書はWebページで公開されている。
大規模太陽光などで発電した電力は電力会社が固定価格で買い取る。その資金は、電気を使用する家庭や企業が「賦課金」として負担する(図1)。
再生可能エネルギーの賦課金単価は、0.22円/kWhと定めた。この賦課金と、太陽光発電の余剰電力買取制度*2)に基づく太陽光発電促進付加金を合わせた額を家庭などが負担する。標準家庭の負担金額は全国平均で、87円/月になる。
なお、標準家庭とは、1カ月の電気使用量300kWh(同電気料金が7000円)の家庭を指す。経済産業省によれば、付加金の額は電力10社ごとに異なるため、標準家庭の負担金額は、北海道の75円/月から、九州の111円/月まで幅がある。
*2) 出力10kW未満の太陽光発電、具体的には、家庭の屋根に設置した太陽光発電システムの買取制度である(関連記事)。
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