データの読み書きが高速というメリットがあるSSDだが、ノートPCのストレージとしては、やはり低価格のHDDが優勢のようだ。
IHS iSuppliの新しいリポートによると、フラッシュメモリを搭載するタブレット端末の猛攻を受けながらも、当面の間は、HDDがノートPCのストレージとして優勢を保つ見込みだという。
iSuppliによると、2012年の第1四半期におけるノートPCのシェアは、次のようになっている。
なお、このデータには、Intelが提唱する「Ultrabook」のように、HDDとキャッシュSSDの両方を搭載したハイブリッド型のノートPCは含まれていない。また、2012年10月以降に発売するとみられているMicrosoftのタブレット端末「Surface」の影響は考慮されていない。
iSuppliのストレージ・システム部門でアナリストを務めるFang Zhang氏は、プレスリリースの中で、「市場シェアランキングの結果を見る限り、Appleの『MacBook Air』をはじめとする、SSDを搭載したノートPCが、HDDを搭載したノートPCの脅威になることは今のところなさそうだ。HDDを搭載したノートPCの市場規模の方が、はるかに大きいからである」と述べている。
Zhang氏は、「SSDを搭載したノートPCは、動作速度が高い上に軽量かつ薄くてスタイリッシュである。だが、他の製品に比べて高額で、全体のストレージ容量が少ない。64GバイトのSSDを搭載したMacBook Airの価格は999米ドルに達するが、HDD搭載のノートPCであれば、同じ価格で、より大きな容量のHDDを搭載した製品を手に入れることができる」と述べた。
iSuppliは、「SSD搭載のノートPCやSurfaceの価格が700米ドル以下になれば、HDD搭載のノートPCの売れ行きは悪化するかもしれない」と述べている。さらに、「タブレット端末は既にノートPCから売り上げを奪っているが、物理キーボードを備えたSurfaceのような製品が登場すれば、そうした状況がさらに加速する可能性がある」と付け加えた。
【翻訳:山内幸代、編集:EE Times Japan】
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