スマートフォンの出荷台数において、SamsungがAppleを大きく引き離した。Samsungの次なる目標は、Appleがリードするタブレット端末市場でも、強固な基盤を築くことだろうか。
米国の市場調査会社であるABI Researchによれば、2012年第3四半期におけるスマートフォンの出荷台数は、Samsung Electronicsが、ライバル企業であるAppleに対して2倍の差をつけ、大きく引き離す結果となった。
Samsungはこの1年で、スマートフォンの出荷台数においてAppleを大きくリードするようになった。Samsungが幅広い機種を取りそろえ、「GALAXY S III」などの新型モデルで高い人気を得たことなどがその要因となっている。ABI Researchによると、2011年第3四半期におけるSamsungのスマートフォン出荷台数は、Appleを35%上回った。
※「GALAXY S III」の分解記事はこちらから
ABI Researchでシニアアナリストを務めるMichael Morgan氏は、発表資料の中で、「Samsungはスマートフォン市場において、競合他社から抜きん出る勢いをみせている。その一方でAppleは、自社の新しい製品ポートフォリオによって、粗利益率がさらに低くなっていくだろう」と述べている。同氏によれば、2011年におけるApple「iPhone」の出荷台数は、前年比で96%増加した。Appleがこれに匹敵する実績を2012年も上げるためには、2012年第4四半期に9400万台のスマートフォンを出荷する必要があるという。
ABI Researchによると、2012年第3四半期におけるSamsungのスマートフォン出荷台数は、前年同期比で109%増となる5550万台だったという。一方、2012年第3四半期におけるAppleのスマートフォン出荷台数は、前年同期比で58%増となる2690万台だった。
SamsungとAppleは、スマートフォンの出荷台数に関して、競合他社を大きく引き離している。2012年第3四半期における両社のスマートフォン出荷台数は、合計で約8240万台に達する。全世界の出荷台数が1億5550万台であることから、両社の合計だけでその半分以上を占めることになる。
ただ、SamsungとAppleの関係は、非常に複雑だ。市場や法廷で激しい競争を繰り広げるライバル同士である一方、Samsungは、Apple製品向けに半導体チップやディスプレイなどの各種部品を提供する主要サプライヤでもある。
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