ABI Researchによると、Samsungは、2012年第3四半期における携帯電話機およびスマートフォンの出荷台数ランキングにおいて、両方でトップの座を維持したという。一方Appleは、同四半期における携帯電話機の出荷台数ランキングでは、1位のSamsungと2位のNokiaに次ぐ3位だった。また、スマートフォンの出荷台数ランキングでは、2位という結果だった。
2012年第3四半期におけるスマートフォンの世界出荷台数は、前年同期比で33%増加した。しかし一方で、2012年第3四半期の携帯電話機の世界出荷台数は、前年同期比で2%減となる3億8730万台にとどまっている。
また、携帯端末の世界出荷台数全体に占めるスマートフォンの割合は、2012年第2四半期には39%だったが、2012年第3四半期には40%に増加したという。
ABI Researchによると、機器メーカー各社が今後、市場シェアを拡大していくには、業界をリードするSamsungの後を追って、幅広い種類のスマートフォンをこれまで以上に低価格で提供する必要があるという。ABI Researchの予測では、SamsungとAppleは今後も、付加価値の高いスマートフォン市場においてトップの座を維持していくとみている。
米国の市場調査会社であるTechnology Business Research(TBR)でアナリストを務めるJack Narcotta氏は、2012年10月26日に発表したリポートの中で、「Samsungは今後も短中期的に、激戦区であるスマートフォン市場において優位性を維持していくとみられる。同社の次なる課題は、タブレット端末市場でも強固な基盤を構築することだろう。同市場では現在、Appleが10インチ型タブレットを、ASUSとAmazonが7インチ型タブレットをけん引しており、Samsungをはじめ、Androidタブレットを手掛けるメーカー各社がこれを追いかける立場となっている。
ABI Researchでシニアプラクティスディレクターを務めるJeff Orr氏は、「Appleは、高い成長率が重圧となって、ハイエンドのタブレット端末市場から抜け出そうとしているように見える。同社は最近、新製品ラインアップを発表したが、高い利益率を維持することに対して、危機感を覚えているようだ。Appleにとって、急成長を遂げる低価格帯のスマートフォン市場へと下流方向に移行するのは、極めて困難なことだろう」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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