2013年2月に、社名を、その主力製品と同じBlackBerryに変更した旧RIM。同社の最新スマートフォン「BlackBerry Z10」を分解したところ、ライバルであるSamsung Electronicsの「GALAXY S III」に採用されている部品が、数多く搭載されていることが分かった。
BlackBerry(旧Research In Motion[RIM])は、世界に向けた製品の発表を米国ニューヨーク州で華々しく行った。発表会では、最新OS「BB10」を初めて搭載したスマートフォン2機種に注目が集まった。
BlackBerryには最近、よいニュースがほとんどなかった。最新機種の発表は延びに延び、結局、当初の予定であった2012年4月から2013年1月30日にまで延期された。その間、AppleやSamsung Electronicsといった競合メーカーはBlackBerryの市場シェアを侵食し続けてきた。「今さら最新機種を発表してもたいした起爆剤にはならないし、もはや手遅れではないか」と考えていたアナリストも少なくない。
BlackBerryは2012年8月、タブレット端末「PlayBook LTE」を投入したが、発表は控え目で、顧客からの反応もいまひとつであったため、同社を取り巻く状況は改善しなかった。
BlackBerry Z10は、BlackBerryシリーズで初めてデュアルコアプロセッサを採用した製品である。注目すべきは、2Gバイトの内蔵RAMを備える点だ。また、Appleが「iPhone」や「iPad」に採用しているRetinaディスプレイよりも高い解像度のディスプレイを搭載している他、裏面照射型(BSI)センサーを用いた8メガピクセルのオートフォーカスカメラや、ビデオ会議に使用できる2メガピクセルのカメラを備えている。さらに、Apple製品のビデオ通話機能「FaceTime」に対抗し得る機能として、「BBM Video」を搭載している。
BlackBerry Z10はLTEに対応している他、最新のスマートフォンに見受けられるあらゆるセンサー(MEMS加速度センサー、ジャイロセンサーなど)を搭載している。だがBlackBerryは、こういった機能面ではなく、新型OSであるBB10が実現する円滑な動作性能で、BlackBerry Z10を売り出そうとしている。
BB10が消費者にどう受け入れられるかは現時点では分からない。だが、BlackBerry Z10を分解し、搭載されている部品を調べることで、現在のスマートフォン市場を制している「iPhone 5」やSamsungの「GALAXY S III」に、技術面でどの程度匹敵するのかを知ることができるはずだ。
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