さて、BlackBerry Z10の端末本体からメインボードを取り外し、部品を覆っているシールドを取り除くと、現れた部品の多くは、これまでに何度も目にしたことがあるなじみのものばかりだった。2012年にリリースされたさまざまな携帯端末に採用されている部品と同じ物が、BlackBerry Z10でも使われていた。SamsungのGALAXYシリーズに搭載されている部品も多い。
中でも特に際立っていたのが、Qualcommの製品だ。同社は、BlackBerry Z10において4つのデザインウィンを獲得している。そのうちの1つであるベースバンド/アプリケーションプロセッサ「MSM8960」は、GALAXY S IIIのLTE対応モデルにも採用されている。
MSM8960は、マルチモード3G/LTEモデムを内蔵する他、2つの非同期型CPUコアとGPU「Adreno 225」を集積している。2つのCPUコアは、クロック周波数1.5GHzで動作する。28nm世代のプロセス技術で製造されたMSM8960は、高い電力効率を実現しており、LTE対応の携帯端末に求められる電池要件を満たす上で、不可欠なプロセッサだ。
この他、Qualcommの製品としては、電源管理IC「PM8921」、GPS付きの4バンド対応トランシーバ「RTR8600」、オーディオコーデック「WCD9310」が採用されている。
電源管理ICのPM8921は、GALAXY S IIIのLTE対応モデルや、タブレット端末「GALAXY Tab 2」で採用されたものだ。4バンド対応トランシーバのRTR8600は、GALAXY S IIIのLTE対応モデルや第4世代のiPadなどに搭載されている。オーディオコーデックのWCD9310は比較的新しい製品で、やはりGALAXY S IIIのLTE対応モデルに採用された実績がある。
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