Freescale Semiconductorが、ARMの最新プロセッサコアである「Cortex-A50」シリーズのライセンスを取得した。これにより、サーバ市場におけるシェア拡大を図るという。
Freescale Semiconductorが、ARMの最新プロセッサコア「Cortex-A50」シリーズのライセンスを取得した。これにより、サーバコンピューティング分野において、同社のデジタルネットワーク製品の勢力拡大を狙っていくという。FreescaleのCEO(最高経営責任者)であるGregg Lowe氏は、世界最大級の組み込み技術展「Embedded World 2013」(2013年2月26〜28日、ドイツ・ニュルンベルグ)の会場において、EE Times誌のインタビューに応えた。
Lowe氏は、「Freescaleは、64ビットに対応したCortex-A50シリーズのサブスクリプションライセンスを活用することで、サーバ市場における勢力を拡大していく考えなのか」というEE Times誌の問いに対し、「もちろんそのつもりだ。サーバ市場では現在、さまざまな変化が起こっている」と答えている。
サーバ市場では近年、マイクロサーバや、ネットワーク向けのより高性能なサーバの台頭によって、断片化が進んでいる。また、クラウドサービスを提供するような大規模なデータセンターでは、エネルギー効率も重要視されている。ユーザーが仕事やプライベートでインターネットを利用する時間が、確実に長くなっているからだ。
Cortex-A50シリーズには、「Cortex-A57」と「Cortex-A53」がある。これらは、独立して動作させることはもちろん、「big.LITTLE処理」構成を組むこともできる(big.LITTLE処理についての解説はこちらから)。
Freescaleは今回、同社のアプリケーションプロセッサ「i.MX」や通信プロセッサ「QorIQ」の次世代バージョン向けにCortex-A50のライセンスを取得し、複数年のサブスクリプション契約を締結した。
同社は、IBMがライセンス供与するPowerPCアーキテクチャをベースとしたプロセッサも手掛けている。「Cortex-A50シリーズのライセンスを取得したが、今後、PowerPCアーキテクチャの搭載を減らしていくのか」と質問したところ、Lowe氏は「その予定はない」と答えた。同氏は、「PowerPCアーキテクチャの優れた性能は、ハイエンド製品で実証されている。2013年に投入するネットワーク製品のうち、85%がPowerPCアーキテクチャをベースにしたものとなる予定だ。ARMのライセンスを取得した理由の1つは、顧客の要求に応えるためである」と説明している。
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