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FreescaleがCortex-A50のライセンスを取得、サーバ市場で勢力拡大を狙うビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)

» 2013年03月06日 11時28分 公開
[Peter Clarke,EE Times]
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Freescaleが注力する5分野

 Lowe氏は、「欧州の半導体メーカーであるNXP SemiconductorやInfineon Technologiesは、ここ数年の間に、事業再編の一環として自社の重要な事業部門の一部を売却している。しかし当社は、こうしたメーカーと同じような戦略は取らない」と述べている。Lowe氏は、8カ月前にFreescaleのCEOに就任して以来、主要な事業部門として、「アナログ/センサー」「マイクロコントローラ」「車載マイコン」「デジタルネットワーク」「RF」の5つの分野に注力してきた。「当社はデジタル半導体メーカーとみられることが多いが、アナログやセンサー、RF製品も提供している。これらの製品は、当社のマイコンやプロセッサを補完する重要な役割を担っている」(同氏)

 Freescaleは、研究開発費のうち2500万米ドルを、これら5部門に割り当てている。これにより、同社の研究開発費のうち5部門が占める割合は、69%から82%に増加したという。Lowe氏は、「2015年までにこの割合を90%にする計画だが、2014年前半にはこの目標を達成できると考えている」と説明した。なお同社は、デジタルネットワーク機器市場において、50%のシェアを獲得している。

 注力する5つの部門では、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)向け低消費電力マイコンなどのローエンド製品、企業向けネットワークやサーバなどのハイエンド製品の両方においてARMライセンスが使われるため、ARMの利益も拡大すると予想される。

 Freescaleは現在、成長が期待される組み込みアプリケーションやIoTなどの分野で好調な業績を上げており、利益を見込んでいるという。「組み込み向けネットワーク接続やIoTの分野において、ネットワークインフラに対する需要が高まっていることから、クラウドデータ処理の分野も今後、飛躍的な成長が見込まれる」(Lowe氏)。

功を奏したファブライト戦略

 製造に関しては、「ファブライト戦略が功を奏している。90nm世代以前は自社で製造をまかなっているが、65nm以降は外部委託している。マイコンやアナログ半導体では、90nmは最先端技術に近い。ただし、当社が製造を外部委託する割合は、年々高くなっていくだろう」(同氏)と述べている。

【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】

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